自転車用語 (続き4)自転車探険!

有効上管長(effective top tube length)

概要
  傾斜上管 中心線と頭管中心線の交点から水平に引いた線とサドル支柱中心線の交点間の距離。 伝統的な水平上管フレームの上管長と傾斜上管フレームまたはコンパクトフレームの上管長(有効)を比較するために使われる。 一般に、傾斜上管の有効上管長は実際上管長より長い。水平上管の有効上管長は実際上管長と等しい。有効上管長は乗車姿勢に影響する。
実例
  メーカーの寸法図のデータを使って、有効上管長を打点したグラフを右図に示す。横軸はフレームサイズそして縦軸は有効上管長としてある。 赤点はマウンテンバイク(MTB)、緑点はクロスバイク、黒点は水平上管のロードバイクそして灰点は傾斜上管のロードバイクを表している。   有効上管長の平均はマウンテンバイクが約590mm、クロスバイクが約570mmそしてロードバイクの水平上管および傾斜上管いずれも約550mmとなっている。
歴史
  フレームサイズが大きくなると、有効上管長は長くなる傾向が見られる(右上のグラフ)。 このフレームサイズに比例させて上管を長くするというやり方は、1980年代初期に米国に輸出を始めた日本の自転車メーカーの方式で、それまでの米国メーカーはフレームサイズにかかわらず上管長は変えず、ハンドルステム突出しを変えて対応していたと言われる。 フレームの選定をおいて、上管長も考慮しなければならなくなった。

タルク粉 (talc powder、talcum powder)

  天然の滑石(タルク)を粉砕、分級して作った、平均粒径0.01mm以下の微粉体。
組成は Mg3Si410(OH)2 となっている。
滑石は天然の鉱石の中では最も軟らかい。
ベビーパウダーの主原料。
チューブは製造時に高温になっているので、折りたたんだ時に付着しないように塗布している。
チューブにタルク粉が付いていると、タイヤと付着しないのでパンクしたときなどにタイヤから出し易い。

ディープリム (deep rim、deep depth rim、deep section rim)

概要
  リム断面形状をV字形などにして、幅よりも高さ(奥行き)を大きく(深く)したリム。深くした部分は空気抵抗が減る断面形状としている。
用途
  ロード競技車、トライアスロンバイクおよびタイムトライアルバイクなどに使われる。
働き
  タイヤに当たった空気が後方へ流れるとき、リムで整流して空気抵抗を減らす働きがある。
強度が大きくなるので、スポーク数を減らすこともできる。 スポーク数の減少は空気抵抗の減少につながる。
高さ
  高さはタイヤ幅によっても変わり、30mm~80mm。高さ50mm以上のリムをディープリムと言うことがある。
材質
  平坦路の高速走行においては、リムの質量増加によるマイナスよりも空気抵抗の減少効果が勝るが、軽量化のためにアルミ合金製の他、炭素繊維強化樹脂(CFRP、俗にいうカーボン)製のリムも多い。
歴史
  1993年にカンパニョーロが導入してから知れ渡るようになった。

カンデラ (candela)

  光源の明るさの度合いである光度の単位。記号はcd。自転車の前照灯の光度の単位としても使われる。
周波数540x1012Hzの単色光源のその方向の強度が(1/683)W/sr(ステラジアン)である光度。カンデラはラテン語でろうそくの意味。 ろうそくの光度は約1カンデラ。
自転車の前照灯の光度は400cd以上でなければならない(JIS C9502、自転車用灯火装置)。
  周波数540x1012Hzは緑色に近く、人の目の感度の良い周波数。人の目の特性として、他の周波数は同じ感度を得るためにはより大きな光度を必要とする。
   参考資料  「明るさの換算」(カンデラ→ルーメン)

ロック(lock、bike lock、lock up)

  •   
      のこと。錠前ともいう。錠はかぎ(キー)で開閉する。 フレームに装着されている錠としては、リング錠箱錠などがある。 フレームに装着されていない錠としては、ワイヤー錠U錠、鎖錠などがある。 施錠忘れによる盗難が40~60%を占めている。複数の錠を付けると被害を減らすことができる。
  •   車輪
      ブレーキのかけ過ぎなどで、車輪の回転が止まること。
    前輪の回転が止まると、ハンドル操作が機能しなくなる。曲がっている時に後輪の回転が止まると、横滑りする。
      ロックを起こさないようにする部品としては、(1)パワーモジュレータ 及び(2)ブレーキパッド後方に付けたアタッチメント(右図)などがある。 ロックするとアタッチメントが振動してパッドリムから引き離す。

ジェル (gel)

  コロイド溶液が弾性を持って固化したもの。身近な例としては、寒天、ゼラチンおよびこんにゃくなど。ウレタンなどの高分子化学物質で作ったジェルは振動および衝撃の吸収性があり、サドルなどの弾性体として使われる。 家具などの下に置いて、地震による振動を吸収して、転倒を防止する耐振ジェルパッドも市販されている。
  ジェルには上記のような形状の決まったもの(ジェルフォーム)および不定形のものがある。形状が決まったジェルは力を加えるとへこんで容積は減少し力を取ると元に戻る。一方、不定形のジェルはお尻の形状になるように流れて容積は減少しない。 サドルのジェルとしては不定形のものが望ましい。

おちょこ量 (hub offset、hub flange offset)

  量ではなく距離すなわち、おちょこ距離のこと。ハブフランジ中心面(青色)とハブ中心面(ロックナット間距離の中心線及びリム中心線と一致する、緑色)間の距離(赤矢印)。 ハブオフセットとも言う。フランジ右側にスプロケットか゛付くために発生する。おちょこ距離が小さいと、後輪を後から見た時のスポークの傾きが(おちょこを横から見た時のように)大きくなるため、車輪の横剛性が大きくなる。なお、(お)ちょこは酒を飲む陶製の小さなうつわのこと。
   参考資料  「ハブ」    ハブオフセット計算器

固定スプロケット (fixed sprocket、fixed gear)

  フリーホイールを付けないで、直接後輪ハブに固定したスプロケット。 固定スプロケットの付いた自転車は、固定スプロケット自転車という。固定スプロケット自転車は、古典的な自転車で一般に変速機およびブレーキも付いていない。 自転車との一体感があり、かつ路面の状態が敏感に伝わってくる。スプロケット数は1個で小さく、チェーンが短く、変速機なども無いので自転車は軽い。固定スプロケットの歯数は一般に15~16Tと少ないので、歯数を1T増やすか、または1T減らすとギア比は大きく変わる。 トラックレーサーに使われるので、トラックスプロケットとも呼ばれる。

天然ゴム (natural rubber)

  ゴムの木の樹皮を斜め下方に削ると、白い樹液(ラテックスと呼ばれる)が出てくるので容器に受けて固まるとゴムになる。
1839年にグッドイヤーが天然ゴムを加硫することを発明し、弾性、強度および耐久性のあるゴムが出来るようになり、工業利用が可能になった。 それまでは、消しゴム(ラバー)および子供の遊びボール程度の用途しかなかった。
物性としては、比重0.92、引張強さ3~30MPaそして最高使用温度120℃。
樹液が白いのにタイヤが黒いのは耐摩耗性の向上などのためにカーボンブラックを混合してあるため。これはゴムの劣化を招く紫外線を吸収するという副次的な効用もある。 合成ゴムSBRより弾性は大きい。自動車のタイヤおよびチューブが需要の7~8割を占める。

コミューター (commuter、bicycle commuter、commuter bicycle)

  •  通勤者
      電車、バス、自動車または自転車などで通勤する人。
  •  自転車通勤者
      自転車で通勤する人。
  •  通勤用自転車
      通勤に使う通勤自転車(コミューターバイク)。
    通勤に使える自転車の種類はスポルティフロードバイククロスバイク(長距離には向かない)およびシティ車(中長距離には向かない)など。

トリプルバテッドスポーク (triple butted spoke)

  スポークエルボ部/中間部/ねじ部の外径が例えば、2.34/1.8/2.0mmのように異なるスポーク。 強さと軽さを兼ね備えており、タンデム(2人乗り)車、荷物を積む旅行車
および丘下り(ダウンヒル)のマウンテンバイクなどに使われる。 片端段付きスポーク(シングルバテッドスポーク)及び直径2.0mmのずん胴スポーク(プレーンスポーク )より軽い。

合金 (alloy)

  強度などの物性を向上させるために、ある金属に他の金属や非金属を溶かし合わせたもの。基本となる金属によって鉄合金(炭素鋼クロムモリブデン鋼高張力鋼
ステンレス鋼など)および アルミ合金(アルミニウム合金)、チタン合金、スカンジウム合金及び銅合金などがある。 自転車のフレーム及び部品においては、単にアロイ(合金)と言えばアルミ合金であることが多いが、確認が必要。

ジオメトリ (geometry、frame geometry)

  •  幾何学
      図形や空間の性質を研究する数学の一部門。紀元前300年ころ、ユークリッドによって集大成され、現在は、微分幾何学・代数幾何学・位相幾何学などに発展。
  •  寸法図
      自転車寸法図またはフレーム寸法図(フレームジオメトリ)。スケルトンともいう。
    自転車またはフレームの各部の長さ、高さ及び角度を記入した図形。まともな自転車なら、カタログおよびホームページに記載されている。 長さとしては、頭管長上管長立管長フロントセンターリアセンター(チェーンステイ長)、車軸間距離(ホイールベース)およびフォークオフセットなど。 高さとしては、上管高さBB高さおよびBB下がりなど。 角度としては、頭管角(ヘッド角)および立管角(シート角)など。
    右図は、フレーム寸法図の一例。記号に対応する寸法が表に記載されている。寸法図によって自分に合う自転車かどうか判断する。

バナナ (cable guide)

  ロープ(ケーブル)をバナナ状(円弧状)に案内するエルボ管の和名の俗称。変速機に使う変速バナナおよびブレーキに使うブレーキバナナ(ヌードル)がある。

バックミラー (rear view mirror、rear vision mirror)

概要
  後写鏡(道路運送車両法の用語)とも言う。
後方の交通状況などを見るための鏡。
サイクルミラーと呼ばれることもある。
  ハンドル又はフレームなどに付ける。
法規制
  原動機付自転車および自動車には道路運送車両法によって取り付けが義務付けられているが、自転車に対する規定はない。
必要性
  必要性は車種(ロードなど)および用途(旅行など)によって異なる。
リカンベントは後を見ることが困難なので、バックミラーがあることが望ましい。
特殊仕様
  (1) ハンドル端に取り付ける形(バーエンドミラー )がある。
  (2) LED方向指示器が付いた形がある。
  (3) バーエンドに望遠鏡型のバックミラーを組み込んだ形もある。
  (4) STIシフターに付ける形もある。
  (5) ヘルメットに付けるヘルメットミラーがある。
  (6) めがねに付けるもの(バックミラーめがね)がある。
  (7) バックミラーの代わりに、サドル支柱に取付けたビデオカメラで
        後方を撮影して、ハンドルに付けたサイクルコンピュータと一体と
        なった画面に表示する形がある(後写カメラ)。
  (8) 腕に付ける形がある。折りたたむことが出来る。
  (9) ブレーキフードに取付ける形がある。取付部はゴム製となっている。
取付位置
  自動車は自転車の右側を通るから、ハンドルなどの右側に付ける。
上図の赤矢印のバックミラーは右側通行の国の例。
材質
  鏡の材質はガラス、磨いた金属板または鏡メッキをしたABS樹脂
メーカー
  オージーケー技研キャットアイAgu Bv(Cordo)Axiom Performance GearBicycle SafetyBike EyeBlackburn
Busch & MüllerCycleAwareHostettler(ixs)Louis GarneauMirrycleRaleighRearVizSelle ItaliaVivid Product DesignZéfal など。

スプリント (sprint、sprinting)

  •   全速力
      全速力または全速力で走ること。特に競技の終盤における全速力。
  •   競技
      スプリント競技。2人の競技者が競技場を3周して、最終の200mの直進走行の時間が計測される。それまで、前車の後に付こうとする駆け引きなどが行われる。
    トラックスタンドなどの技能が必要。
  •   オリンピック
      オリンピックスプリント。チームで争う。競技場を1周する毎に1名が競技を離れ、最後の人の時間を競う。

ダブルバテッドチューブ (double butted tube)

  ダブルバテッド管。中間部よりも両端の肉厚を厚くした管。フレーム管の場合は、端部肉厚は0.9~2.8mmそして中間部肉厚は0.5~1.6mm。
  管内面で肉厚を大きくした内バテッド管(インターナリ バテッド チューブ)および管外面で肉厚を大きくした外バテッド管(イクスターナリ バテッド チューブ)がある。
内バテッド管は段付き部が内部にあるので、外観はすっきりしている。 外バテッド管は同じ強度で軽く(肉厚を薄く)できるが生産原価は高くなる。
  稀に、サドル支柱に使われることがある。

ゴアテックス (GORE-TEX ®)

  1958年にゴアが創立したW.L.ゴア&アソーシエイツ社の多孔質ポリテトラフロロエチレン(PTFE)膜の商標。防水性および透湿性があり、
水(雨)は通さないが汗などの水蒸気は通す極小の穴(0.2 µm)の空いた膜。
  繊維の表地および裏地を付けて3層構造として、防水性の衣服などが作られている。ゴアテックスXCRは透湿性が25%大きくなっている。
  メーカーは、W. L. Gore & Associates

ヘッドチューブ角 (head tube angle、head angle)

  頭管角のこと。ヘッド角またはキャスター角とも言う。頭管(ヘッドチューブ)の中心線が水平となす角度。 ロードバイクは71°~76°そしてマウンテンバイクは67°~74°。路面の突起の大きいオフロードを走るマウンテンはバイクは、小さいヘッド角を必要とする。
ヘッド角はトレイルに影響する。ヘッド角をゆるやかにすると、前輪が前に出るためホイールベースは長くなり、つま先すき間も大きくなる。
ヘッド角の起源は、路面の凹凸などからくる衝撃を緩和しようとしてフォークを傾けるために頭管を傾けたもの。
   参考資料  「フォーク及びトレイル

タイムトライアルバイク (time trial bike、time trial bicycle)

概要
  タイムトライアル競技に使う自転車。トライアスロンバイクと似ている。
軽量で剛性があり空気抵抗が少ないことが要求される。
特徴
  (1) エアロバーエアロフレームエアロフォークエアロリムの前輪およびディスクホイールの後輪。
  (2) 軽量化を計るために、フレームはチタン合金または炭素繊維強化樹脂(俗に言うカーボン)が多い。
  (3) スプロケットを少なくして軽量化するために、変速段数は必要最小限の6段程度で、クロウスレシオとなっている。
動力
  エアロヘルメットを付けてタイムトライアルバイク(TTバイク)で走った場合および一般の競技用ヘルメットを付けてロードバイクで走った場合について、 速度が40km/hの動力を測定したデータによれば、タイムトライアルバイクは約220Wそしてロードバイクは約280~290Wで、 タイムトライアルバイクはこの速度においては約60~70W動力が少ない。これは、乗車姿勢の違いによる空気抵抗の違いによるところが大きい。
速度
  最高速度は約56km/h。
シート角
  市販のタイムトライアルバイクのシート角の平均は、76°で、ロードバイクのシート角の平均73°より大きい(きつい)。
ブレーキ
  空気抵抗を少なくしたエアロブレーキが使われることがある。
ボトル
  飲料水ボトルとしては、エアロボトルがある。
規則
  UCI規則の1.3.023項によれば、ボトムブラケット軸芯とハンドルの最先端(突出しバーを含む)の水平距離は750mm以下でなければならない。
   参考資料  「UCI 規則
リコール
   Cannondaleは2013年モデルのSlice RSのブレーキプレートがゆるむことがあるとして約500台をリコールした。
メーカー
   AeroCatAiro International(Xlab)AirstreeemArgon 18AzzurriBlue Competition CyclesBMCBoardman BikesBurls BicyclesCannondaleCanyonCervéloColnago Emesto & CCrumpton CyclesCycles MarinoniDean Ultimate BicyclesFondriestFujiGuru BicycleIntersens Bikes & Parts
Isaac CycleJamis BicyclesKestrelKuotaLitespeedLeMond Racing CyclesMotobecaneOlson InternationalOpus BicyclesOrbeaPinarello
Principia A/SQuintana Roo BikesSerottaStorck BicyclesVinerVision BikesVO2 CyclingYaqui Cycles 、など。

パッドクリアランス (pad clearance、brake pad clearance)

  パッド隙間

ロックリング (lock ring、lockring)

  固定するための環状の部品。次のような固定環がある。

トウイン (toe in、toe-in)

概要
  リムブレーキパッドのつま先(トウ)が最初にリムと接触(イン)するようにすること。ブレーキ鳴き対策として使われる。 言い換えると、左右のブレーキパッドの接触面がリムと平行でなく、上から見るとハの字形となるようリムに対して傾けること。ブレーキの利き具合とはさほど関係ない。
設定方法
  具体的には、パッド先端が接触したとき、後端はリムから約1mm離れているようにする。言い換えると、ブレーキ開放時には、パッド先端とリムの距離は、パッド後端とリムの距離より約1mm短くする。 目視で設定することは難しいので、1mm厚にしたマッチ棒などを基準器としてパッド後端とリムの間に挟んで設定する。 キャリパーブレーキシューを取付ける角度を変えられる形式は、トウインを設定することができる。
パッド磨耗
  ブレーキをかけたときにパッドはリムによって前方に引かれるので、前方より後方が強くリムに接触するため、使っている間にトウインの形状にパッドは磨耗する。
ただし、シューのスタッドが偏心したパッドの中にはリムと平行に磨耗するものがある。
工具
  ブレーキシューのトウイン設定のために、リムとパッドの間に楔形のすき間を作る工具として、ブレーキシューチューナーがある。

パッドすき間 (pad clearance、brake pad clearance、pad rim clearance)

概要
  ブレーキパッドと相手のリムまたはブレーキローターとの距離(すき間)。左右で等しいことが望ましい。
リムブレーキ
  リムブレーキのパッドとリムのすき間は1~2mm。
リムブレーキパッドに関し、パッドの磨耗によってすき間が約3mm以上になると、操作性が少し低下するので ケーブルアジャスター ですき間を調整する。 ディスクブレーキ
  ディスクブレーキのパッドとブレーキローターのすき間は0.5mm前後。
Vブレーキ
  マウンテンバイクに使われるVブレーキキャリパーのてこ比(アーム比)が大きいのでパッドすき間は1mmの小さいすき間が必要。
デュアルピボットブレーキ
  ロードバイクに使われるデュアルピボットブレーキのパッドすき間は1.5~2mm。
キャリパーブレーキ
  キャリパーブレーキのパッドすき間は約2mm。

グラブ (glove、bike glove)

  手袋 のこと。グローブとも言う。手の甲の日焼け防止またはオフロードを走る時の手の衝撃緩和に役立つ。交通安全上は良く目立つ明るい色が望ましい。 フルフィンガー(ロングフィンガーとも言う)は指の先端まで覆われており、防寒並びにオフロードでの木の枝および万一の転倒や衝突に対する手の保護に向いている。 ハーフフィンガー(ショートフィンガーとも言う)は指の関節から先は無く、夏季のロードでの使用に向いている。

後爪 (rear drop out)

後爪
  JIS用語は後つめ。チェーンステイの先端に付いていて、ハブ軸を取り付ける金属製の板。車軸が入るよう、かつ軸の位置調節が出来るよう切込みがある。
  後爪の口は後方に開いているもの(正爪)と前方に開いているもの(逆爪、主にロードレーサーに使われる)がある。下方に開いているもの(立爪、輪行車に使われることがある、右図)や後方斜め下に開いているものもある。 シティ車チェーン張り調整(たるみ調整)ができるよう、水平後方に開いている。
  安価なシティ車の中には、チェーンステイの管端をつぶして開口を加工して後爪としている。

背もたれ (backrest)

  •  リカンベント
       リカンベントシートの後にあり、腰および背中を支持するために、骨組みにメッシュシートなどを張った支持体。
    一般の自転車はペダルから脚への反力は人体への重力(体重)で受ける。リカベントは脚が前方へ向いているので、重力でペダルの反力を受けられず、 背もたれで受ける。背もたれの無い状態でペダルを漕ぐと、腰が支持されていないので反力で後に滑り落ちる。
  •  シティ車
       シティ車幼児席の背もたれ。加速などで幼児が滑り落ちないようにしている。

コッターレスクランク (cotterless crank)

  クランククランク軸の連結固定に、コッターを使わないクランク。次のような連結固定方式がある。
  •  四角テーパ
      クランク軸(BB軸)端部を2゜の面勾配を付けた四角錐とし、クランクの2゜の面勾配を付けた四角錐穴に入れて固定する。 穴外端部にはM22の雌ねじが付く。
    この雌ねじに化粧を兼ねたクランクキャップを入れる。
  •  スプライン
      クランク軸(BB軸)端部をスプラインにして、クランク軸穴のスプラインに固定する。

サイクルトレーナー (cycle trainer)

  屋内などで走行訓練をするための練習機。平地および坂の速度および動力などを模擬できる。単にトレーナーともいう。
競技でのウオームアップおよびクールダウンに使われることもある。
  自転車の後輪軸をトレーナーに固定し、抵抗機およびフライホイール(はずみ車)の付いたローラーを後輪で回す。
はずみ車は滑らかなペダル漕ぎができるようにするためのもの。抵抗機としては次の3種類がある。
  流体式 : 作動油の中で羽根を回す。実地に近い抵抗が得られる。静か。高価。
  磁石式 : 磁石の抵抗を使う。静か。中価格。
  空気式 : 大気中で羽根を回す。風切り騒音がある。安価。
  実走行と同等以上に後輪タイヤは磨耗する。
ブロックタイヤは使えないので、マウンテンバイクのタイヤはスリックタイヤに替える必要がある。
  フィットネスクラブ用の水中でペダルを漕ぐトレーナーがある。足に対する水の抵抗を利用する。

サイドプルブレーキ (side-pull brake、sidepull brake)

  側引きブレーキのこと。
中央引きブレーキ(センタープルブレーキ)に対峙する用語。
1960年代初期に出現した。
キャリパーブレーキにおいて、キャリパーを引くロープタイヤの中心線より横にずれている形式。
一方のキャリパーはロープで引き、他方のキャリパーはロープのアウター(ハウジング)で相対的に押す。
  1軸(シングルピボット)形は左右のキャリパーを中央の1つの支点で支持する(右図)。
シティ車の前輪のブレーキなどとして使われている。
2軸形が出現するまでは、ロードバイクで一般的に使われた。
2軸(デュアルピボット)形(デュアルピボットブレーキ)は左右のキャリパーをそれぞれの支点で支持する。

グループセット(group set)

  1つの部品メーカーの構成品(コンポーネント)の組合せ(群)。
英国など欧州の用語。
米国では単にグループ(群)と呼ばれる。
グループとセットはほぼ同じ意味であり重複している。
デュラエースXTRなどのグループ名が付いている。
構成品としては、クランクセットボトムブラケット(BB)、ディレイラー
カセットスプロケットチェーンハブシフターおよびブレーキなどがある。
チェーンはカセットスプロケットの段数に応じて幅が異なる。
グループで部品を売るために、カンパニョーロが1960年代に始めた。
シマノも追随している。
右図は、カンパニョーロのCentaurグループセット。




上管長 (top tube length)

  上管(トップチューブ)中心線が頭管(ヘッドチューブ)中心線および立管(シートチューブ)中心線と交わる交点間の距離。
実際上管長とも言う。上管長はフレームサイズと関連する。
  マウンテンバイクなどの傾斜上管の場合は有効上管長がある。水平上管の場合は、有効上管長は実際上管長に等しい。
  上管長はハンドルステム突き出しと共に、乗車姿勢を決める主要素となる。乗車姿勢の検討においては、有効上管長が重要。

ギアレンジ (gear range)

変速できる範囲。例えば、次のような表し方がある。
  •  歯数の範囲
      例えば、12T-27Tなど。
  •  最大ギア比
      例えば、歯数の範囲が12T-27Tの場合、最大ギア比は27/12=2.25(または225%、変速範囲は225%)。
  •  ギア比の範囲
      例えば、最小ギア比=1.43そして最大ギア比=4.73の場合、ギア比の範囲は1.43~4.73。
    または、4.73/1.43=3.31より範囲は1:3.31。
  •  ギアインチの範囲
      ギアインチの範囲。

バイオペース (Biopace、Biopace sprocket)

  クランクに付ける非円形(楕円近似形)のシマノのスプロケットの商品名。1980年代中頃に世に出たが生産中止となっている。歯数は大スプロケットが52Tそして中間スプロケットが42T。PCDは130mm。
クランクへの取付位置関係は楕円(オーバル)スプロケットと正反対となっている。楕円スプロケットはクランクと楕円の短径が一致しているのに対し、バイオペースはクランクと楕円の長径が一致している。 楕円スプロケットは足の静的な力を考慮しているのに対し、バイオペースは動的な力(動力)が最大になるようにしている。
非円形の長短比は、当初1.09又は1.17であったが円滑な回転にするため後に1.04に変えている。

ビードワイヤー (bead wire)

ビードワイヤー
  WOタイヤ(クリンチャータイヤ)の左右の端部に環状に入っていて、タイヤの円周方向の補強およびクリンチャーリムへのタイヤビードの保持の役目をしている鋼線またはアラミド繊維(デュポン社の商品名はケブラー)製のロープ。鋼線は外径0.8mm程度の鋼線を複数(3本)束ねている。
  アラミド繊維製は軽くかつタイヤの折り畳みができる。
  単にビードと言うこともあるが、ビードワイヤーが入っているタイヤの部分をビードと言うので、紛らわしい。

ハンドル高さ (handlebar height)

  •  路面-ハンドル中心線
      路面からハンドル中心線までの高さ(A)。
  •  路面-ハンドル上面
      路面からハンドル上面までの高さ(B)。
  •  サドル上面-ハンドル上面
      サドル上面からからハンドル上面までの高さ(C)。
      サイクリング車や旅行車は、快適性を重視してサドル高さと同じ(高さの差=0)とするのが一般的。
    競技車は、空力姿勢を得るためにサドル高さより50~100mm低くするのが一般的。
    シティ車は直立に近い楽な姿勢で走るため、サドルよりも200mm前後高くなっている。

エアロスポーク (aero spoke)

概要
  車輪の回転および走行による空気抵抗を減らすために、中間部の断面形状を板状(扁平)または扁平な楕円形にしたスポーク 空力スポークまたは扁平スポークとも言う。
段付スポークから作る。
寸法
  扁平部の幅を a[mm]そして厚さを b[mm]とすると、
断面寸法はメーカーによって a x b または a/b で表されている。 具体的なサイズ例としては、 2x1、 1.8x1.2 、 1.8x1.0 、 2.3x0.9 (右図)及び 2.8x1.3 などがある。
スポーク穴
  ハブスポーク穴は、一般のスポークと共通のものと、エアロスポーク用に加工しなければならないものがある。
質量
  長さ260mmの質量は270~420g。
メーカー
  DT SwissSapim 、など。

傾き角 (slant angle、lean angle)

  •  ディレイラーの傾き
      後ディレイラー平行四辺形面のハブ軸に対する傾き角(スラントアングル)。 傾き角をスプロケット群(カセットスプロケット)の歯先をなぞった円錐形の半頂角に対応させることによって、案内プーリスプロケットの間隔を一定に保つことにより、変速性能を向上させる。
    マウンテンバイクのカセットスプロケットはワイドレシオのため、ロード系 の傾き角(約30゜)より大きな傾き角(約45゜)となっている。
      サンツアーが1964年に考案し、特許を取得した。高性能のディレイラーとの評価があり、特許が切れた1984年以降、シマノおよびカンパニョーロが採用した。

  •  自転車の傾き
      垂直面に対する自転車の傾き角(リーンアングル)。コーナリングにおいては、遠心力と釣合を取るため自転車は曲がり方向に傾いている。
       参考資料  「コーナリングの傾き

クロスバイク (cross bike)

クロスバイクの親
区分  ロード  MTB 
 ハンドル  
タイヤ 
ブレーキ 
ギア比 
概要
  ロードバイクマウンテンバイクを組み合わせた雑種(クロス)自転車。ハイブリッド(雑種)バイクともいう。
走りはロードバイクより重く、マウンテンバイク(MTB)より軽い。
装備
  タイヤ700Cなどで外径はロードバイクに近く、幅はより広いが、マウンテンバイクよりは狭い。
ハンドルはロードバイクのドロップハンドルでなく、マウンテンバイクの平ハンドル
ブレーキはマウンテンバイクと同じVブレーキが使われる。
  ギア比
ワイドレシオでマウンテンバイクに近い。
用途
  自転車通勤などの街乗り、初心者のサイクリングおよびオフロードの道の走行などに使われる。
乗車姿勢はロードバイクの前傾とマウンテンバイクの垂直(アップライト)の中間的なものとなる。
メーカー
  ブリヂストンサイクル宮田工業2x2 WorldwideApollo BicycleBianchiBoardman BikesCannondale BicycleDiamondbackDynamic Bicycles
Falcon CyclesFelt BicyclesForme BikesGenesisGiantGöerickeGT BicyclesIron Horse BicyclesKalkhoffKona BikeMarin BikesMeridaMieleMyVeloPantherPinnacle BikesRaleighRidgebackRocky Mountain BicyclesScott SportsSwobo BicycleTrek BicycleViner 、など。
    参考資料  「自転車の種類」  クロスバイク

ストドロ (vertical dropout)

  垂直つめのこと。ストレート ドロップアウト(和製英語)の略語。 後輪軸を付ける開口部が下を向いている(ドロップアウト)の形式。
穴でなく開口となっているのは、チェーンを付けたまま後輪を外せるようにするため。
  後輪軸の前後位置調整(チェーン張り調整)が出来ないので、ディレイラーのない自転車には使えない。
シティ車の多くはディレイラーが付いていないので、チェーンの張り調整が出来る水平つめ(ホリゾンタル ドロップアウト)が使われる。

トレッドパターン (tread pattern)

  トレッド模様のこと。タイヤ踏面(トレッド)に付いている溝および突起などの模様。 溝はトレッドスクワームによってエネルギー損失となる。マウンテンバイクのタイヤの突起は土道での滑りを防止するが、舗装路を走ると、大きい転がり抵抗、滑りやすさ、騒音の発生および大きい質量などの問題がある。
  競輪の「競走車安全基準」には次の規定がある。(4-14)「タイヤはチューブラタイヤとし、トレッドゴムは平面にしたとき幅27mm以上であって、滑り止めトレッドパターンを施し、その最頂部は厚さ1mm以上なければならない。」 しかし、舗装路ではトレッドパターンが無いほうが接地面積が大きく滑りにくい。

輪行袋 (bicycle travel bag、bicycle carry bag、bicycle carrying bag、bicycle bag)

概要
   分解した又は折り畳んだ自転車を入れて運ぶための運搬袋。肩に掛ける帯が付いているものが多い。
電車またはフェリーなどで現地に行き、袋から出して組み立てて乗る。
ロードバイク用、マウンテンバイク用および折りたたみ自転車用がある。
自転車運搬バッグとも言う。硬いケースのものは、自転車ケースと言う。
形式
   前輪および後輪を外して、フレームセットと共に輪行袋に入れる形が一般的であるが、前輪のみを外して残りのフレームセット等と共に輪行袋に入れる形もある。両輪を外す形には、横型および縦型がある。
  (A)横型
   チェーンステイを上にして(上管を下にして)輪行袋に入れる。横長となる。エンド金具は付けたほうがよいが、必ずしも必要ない。
  (B)縦型
   シートステイを下にして輪行袋に入れる。エンド金具は付ける。縦長となる。相対的に場所を取らない。女性で背の低い人には向かないこともある。
構造
   防水仕様となっているもの及び収納袋が付いているもある。袋内部にサドルおよびエンド金具を置く位置を表示したものもある。 中仕切りが付いたもの及びハブスキュアーなどを入れるポケットの付いたものもある。ヘルメットおよびが入れられるものもある。折りたたむと、ボトルケージに収まるものもある。
分解
   輪行袋に入れる準備として、前後輪およびペダルを外す。分解時、チェーンは後輪の最小スプロケットに掛けると、後輪は外しやすい。
折りたたみ自転車は分解せずに折りたたんで入れる。ペダルは折りたたみペダルを使っているものがある。
寸法
   収納前の広げた大きさはメーカーによって、横1150~1400mmそして縦760~1000mm。
質量
   質量は240~980g。生地が厚く強度の大きいものなどは重くなっている。
エンド金具
   輪行のとき、後輪を外した後のつめ(爪)に付ける金具。地面などにぶつかったとき、後ディレイラーアウターおよびチェーンステイが変形しないようにする保護金具。 前輪用および後輪用がある。クイックリリースが付いている。後輪用は組立て式となっている。後輪用の台によって、自転車を垂直に立てることもできる。 つめ間隔130mmのロードバイク用となっているので、つめ間隔135mmのマウンテンバイクに対しては5mm厚のスペーサーを入れて使う。
チェーングリップ
  チェーンが弛んでいると、輪行中に環状に絡み合うことがあるので、帯又は紐をチェーンに結び、チェーンを張って紐をフレームに固定しておくことが望ましい。
なお、チェーンを張る金具としてはチェーングリップがある。
旅客規則
   JR東日本、東海および西日本などの旅客営業規則によれば、「3辺の最大の和が、250センチメートル以内のもので、その重量(質量のこと)が30キログラム以内のもの」で 「自転車にあつては、解体して専用の袋に収納したもの又は折りたたみ式自転車であつて、折りたたんで専用の袋に収納したもの」は無料手回り品となる。3辺の最大の和は約150cmなので大きさ等の問題はない。 他の私鉄各社もこれに準じている。尚、高速バスは一部の会社以外は搭載を許可していない。
サイクルトレイン
  輪行袋に入れなくとも、自転車をそのままの形で持ち込める電車をサイクルトレインと言うことがある。
  欧州の国、例えば、ベルギー、デンマーク、ドイツ、オランダおよびスイスなどでは、輪行袋に入れなくとも電車にそのままの自転車を載せることができる。
メーカー
     アズマ産業オージーケーカブト甲(Kabuto)パナソニック サイクルテックみどり製作所モンベルCarradice of NelsonDakineEvoc SportsHostettler(ixs)MontagueOsbourne MoorePRORome Bike BagsSciconScott SportsVaude Sport 、など。

有効リム径 (effective rim diameter、ERD)

  リムに取り付けた全てのニップルの外端のマイナス溝底または外端が接する円の直径。スポーク長の計算に使う。
どちらを使うかによってスポーク長は変わる。チューブラーリムの場合は、ニップル端を有効リム径としてもよいが、クリンチャーリムの場合は、
チューブの保護上、ニップルのマイナス溝底を有効リム径とすることが望ましい。英語の頭文字からERDともいう。

アーチサイズ (arch size)

  キャリパーブレーキにおいて、フレームセットに固定するピボット芯からブレーキシュー芯(左右のシューの芯を結ぶ直線)までの垂直距離に対するシマノ用語。 アーチサイズが短いと、アーム比が大きくなりブレーキの効きと応答性は良くなるが、泥よけを付ける空間は無くなる。
  ブレーキシューのボルトを付けるアームのボルト穴は長穴になっており、リムに対する半径位置が10~15mm調節できる。
調節によってアーチサイズは変わるが、公称のアーチサイズは最大長さを言っている。リーチとも言う。

軸受 (bearing)

    
外輪 保持器 内輪
定義
  回転軸を支持する部品。
構成
  一般には、内輪(ないりん)、外輪(がいりん)、保持器および転動体で構成されている。
  保持器は転動体の間隔を一定に保つために、転動体を緩やかに保持する。
軸受名称
  内輪と外輪の間で転がる転動体には、玉、ころおよび針があり、玉を使った軸受は玉軸受と言う。 なお、転動体としてころを使った軸受はころ軸受そして針(一般の針よりはかなり太い)を使った軸受は針軸受と言う。 このような転動体を持つ軸受は、転がり軸受と呼ばれる。これらの用語は、JIS B0104(転がり軸受用語)による。
寿命
  内輪または外輪の転動面が疲労によって部分剥離を起こすと寿命となる。軸受の寿命は、軸受の付いている部分の軸径が大きいほど、また玉が大きいほど、長い。
  軸受寿命は、荷重の3乗に逆比例する。例えば、荷重が2倍になると寿命は、23 = 8 より、8分の1となる。転がり軸受の潤滑にはグリースを使うことが多い。
材質
  玉がセラミックボールの軸受がある。
メーカー
  Full Speed AheadKMTNSKマイクロプレシジョンNTNReal World CyclingSKFWheels Manufacturing 、など。
   参考資料  「ハブ軸受寿命 計算器

ダウンヒル (down hill、downhill、down hill race、DH、downhill road)

  •  丘下り
       主にオフロードの丘や山を、マウンテンバイクダウンヒルバイクで(多くの場合高速で)下ること。 速度は、主にコースの傾きに依存する。
    岩などから飛び降り及び倒れた木材などの障害物があるコースもある。ブレーキ掛け、曲がり(コーナリング)および飛び越え(ジャンプ)の技能が必要。
    速度が速いほど、制動距離は長くなる。人力でなく位置エネルギーで走るため、自転車の重さは速度に対してはさほど問題にならない。
    ペダルを漕がない時は、クランクを進行方向に平行(90°及び270°位置)にすると空気抵抗は減る。
  •  丘下り競技
       マウンテンバイクで、丘や山の所定のコースを下る時間を争うダウンヒル競技
    タイムトライアルおよびマススタートがある。
    規則は主催者によって異なる。UCIはそれなりの規則を制定している。
  •  下り坂
       進むにしたがって下っていく道(右図)。

トウクリアランス (toe clearance)

  つま先すき間のこと。ペダル軸芯と前輪 タイヤまたは泥よけの最短距離。 具体的には、ペダル軸と直角前方にハンドルを廻して前輪のタイヤまたは泥よけを持ってきたとき、ペダル踏面の中心からタイヤまたは泥よけまでの最短距離。
つま先すき間に関係する寸法は、前中距離(フロントセンタ)、タイヤ外径または泥よけ半径およびクランク長。特にタイヤ外径の影響が大きい。
  つま先すき間としては、つま先(トウ)がタイヤまたは泥よけに当たらない距離が必要。特に、靴の中央をペダルの中央に乗せて漕ぐ人のいるシティ車では、十分なつま先すき間が必要。 JIS D9301(一般用自転車)によれば、トウクリアランス(つま先すき間)は89mm以上でなければならないが、結合ペダルには適用しない。
つま先が泥よけまたはタイヤに当たることはトウオーバーラップ(つま先接触)と言う。
   参考資料  「つま先すき間

グリップ (grip、tire grip)

  •  ハンドル
      ハンドルにぎり。ハンドルの手で握る部分。金属管で出来たハンドルにゴムやゴム系樹脂をかぶせて握りとしている。 握りの形状は、指形の付いたもの、樽状に膨らんだもの、内側にテーパー状のもの、下部に長手の突起の付いたもの、円周方向に多数のU溝を切ったものなど各種ある。
  •  タイヤ
      タイヤと路面間で働く進行方向の最大力。ロードでは摩擦力にほぼ等しく、踏面(トレッド)材質によってほとんど決まるが、オフロードではブロックなどのタイヤ模様も影響する。 トレッドの硬さで見た場合、一般に柔らかいほうがグリップは大きいが、磨耗は早い。
    寸法で見た場合、タイヤ幅及びタイヤ外径が大きいと、グリップが大きい。

クランク長 (crank length)

     クランク長
  クランク軸芯とペダル軸芯の距離。シティ車の27型のクランク長は170mmそして26型のクランク長は165mmであることが多い。 マウンテンバイクなどのその他の自転車のクランク長は車輪寸法(型)に関わらず170mmであることが多い。 これは身長170cm強の人を想定しているので、背の低い人は合わないことがある。
マウンテンバイクの中には175mmのクランクがついているものがある。
一般に、マウンテンバイクはロードバイクよりもクランク回転数が小さく、長いクランク長が許容できる。
ロードバイク用のシマノのクランク長は165mmから175mmまで、次のように2.5mmおきにある。
                              165  , 167.5  , 170  , 172.5  , 175 
  フランスのストロングライト社のクランク長は160mm~182.5mmそしてTA社のクランク長は150mm~185mm。動力が最大となるクランク長がある(上図参照)。
   参考資料  「クランク

加速 (acceleration)

  速度を増すこと。速度変化の割合は加速度と呼ばれる。 自転車の加速性能は、競技において次の点で重要視される。
  最後のスプリント。
  スタート時の加速。
  集団(ペロトン)へのキャッチアップ。
  集団からの先行。

ヘッドセット (headset)

概要
  ヘッドチューブ(頭管)に付くセット(部品一式)という意味。
ヘッド小物とも言う。 フレームの頭管(ヘッドチューブ)の上下に付いている。
フォーク操縦管用の玉軸受が組み込まれている。
この軸受によって、ハンドルを軽く回すことができる。
種類
  伝統的なねじ付きヘッドセット及び比較的歴史の浅い
ねじ無しヘッドセットがある。
その違いは、操縦管のねじの有無。
テーパーヘッドチューブに使うテーパーヘッドセットがある。
点検
  • 前輪にブレーキをかけた状態でハンドルを前後に動かし、がたつきがないか調べる。
  • 上管(トップチューブ)を持って前輪を路面より上げハンドルをゆっくり回し、滑らかに回るか調べる。 ごく稀に圧こんにより滑らかに回らないことがある。
材質
  本体はアルミ合金を鍛造後、機械加工して作ることが多い。
セラミック軸受を使った形もある。
リコール
 (1) M2Racerは2004~2006年に販売したヘッドセットが操縦管をこすり、フォークとの結合を弱める可能性があるとして約150個をリコールした。
 (2) Diamondback Bicyclesが中国のUniversal Cycleから輸入し、2012年に販売したロードバイクのヘッドセットの欠陥により、操縦管が制御不良となる可能性があるとして約40台をリコールした。
メーカー
  シマノヨシガイ八田製作所Acros SportAerozineAmerican ClassicBBBBlackspireBrunn Bike PartsCampagnoloCane Creek Cycling Components
Chris KingChiih Chinn IndustryDa BombEastern BikesElement TechnicFac MichelinFireEye BikesFirst Bicycle ComponentsFull Speed Ahead (FSA)Hope TechnologyInterloc Racing DesignJinn Yeh IndustrialKCNCKen Chang Ind.KoreLeaf CyclesLoaded PrecisionMarwiNuke ProofOctane OnePROPro-LiteRace Face Performance ProductsReal World CyclingRitchey DesignSpecialitesStronglightSuperstar ComponentsSyncros
Tange SeikiTisoToken ProductsTr!ckstuffVP ComponentsWOOdmanWTB など。
   参考資料  「ヘッドセット

パンク (puncture、blow out)

概要
  チューブに穴が開き、空気が抜けること。
原因
  2大原因は、蚊刺し及び蛇噛み。稀に、チューブの破裂(バースト、ブローアウト)がある。 チューブレスタイヤは蛇噛みを起こさない。
パンク位置
  チューブをタイヤから出して空気を入れ、水に浸けると泡が出るので、異物の刺さった位置が分かる。その位置に対応するタイヤに、異物が残っていないか調べる。
残ったままチューブを交換すると、走っているうちに再びパンクする。
耐パンク性
  トレッド厚さが厚いといとパンクしにくい。またトレッドの補強材が厚く織りが密だとパンクしにくい。 パンク保護ベルトを入れたタイヤは、パンクしにくい。
パンク対策用品
  タイヤライナータイヤシーラント及びタイヤパンドーなどがある。
   参考資料  「パンク

クリンチャータイヤ (clincher tire)

概要
  タイヤの円周両端部(ビード)にワイヤと呼ぶ鋼製またはアラミド繊維製のロープをを埋め込んで、リムビード座と結合するタイヤ。
WOタイヤとも言う。クリンチは留める、引っ掛ける、締付ける(空気を入れた時、リムに対して)の意味。
タイヤのビードをリムのフックにかけて、タイヤの高い空気圧によってもタイヤがリムから外れないようにしている。
ケーシング
   ケーシング(コード)はタイヤの骨組であり、ナイロンなどの繊維で多層(2~5層)に作られている。
トレッド(踏面)は路面と接する部分であり、ゴムでできている。耐パンクベルト(パンク保護ベルト)は付いていないタイヤが多い。
右の模式図では ケーシング(コード)は3層であるがトレッド下のみ4層として耐パンク性を向上させている。ビードは1層となっているが多層であることが多い。
これらは側壁にゴムの付いていないスキン壁の例であるが、コード保護のために側壁にトレッドよりかなり薄いゴム層の付いたゴム壁のタイヤが多い。
折りたたみ
  ビードにケブラー(アラミド繊維)の入ったものは折りたためるが、鋼製のワイヤーの入ったものは帯のようには折りたためない。
鋼製のワイヤー入りを予備品として携帯するには、3重ループにたたむ。3重ループにすると直径は元の1/3となりバッグに入る。
  そのためには、まずタイヤを8の字とする。8の字の上の丸の直径は元のタイヤの1/3とする。次に8の字の下の丸を2つのループとし、上の丸と重ねれば3重折となる。
質量
  タイヤ各社の700Cタイヤの質量を打点したグラフを右に示す。横軸はタイヤ幅そして縦軸は質量となっている。 タイヤ幅が1mm大きくなると質量は約15g大きくなっている。
取付方法
  •  タイヤの一方のビードをリムのビード座に置く。
  •  丸くなる程度にチューブに空気を入れる。
  •  バルブステムをリムのバルブ穴に入れる。
  •  チューブをタイヤに入れる。
  •  バルブステムの反対側から始め、タイヤの他方のビードをビード座に入れる。
  •  バルブステムが直立していることを確認する。
  •  全周に渡ってタイヤの左右の芯出しを行う。
  •  バルブを付けて、所定圧力まで空気を入れる。

トラベル (travel)

  動く距離。トラベルは動くという意味。   サスペンションまたは緩衝器が動く距離。行程及びストロークとも言う。
路面の凹凸の大きさによって、必要とするトラベルは異なる。オンロードで25mm程度、オフロードで80mm程度そしてダウンヒルで150~200mm程度。

ハンガー下がり (hanger drop)

  英国の用語で、前輪と後輪の軸心を結ぶ直線とハンガー(ボトムブラケット)芯の垂直距離。 ハンガー下がりはコーナリング(曲がり)において、ペダルが地面に接触するときの傾き角に影響する。ペダル接地角は25゜以上でなければならない(JIS D9301、一般用自転車)。 経験上、許容できる傾きなどから決める。オフロードを走るマウンテンバイクは、岩などがペダルに当たらないようハンガー下がりは小さくなっている。 タイヤ外径およびクランク長などが関係する。人体の寸法はクランク長などから間接的に影響する。米国ではボトムブラケット下がりと言う。
   参考資料  「コーナリングの傾き

カンパニョーロ (Campagnolo)

  •  人物
      Tullio Campagnolo、1901年生まれ。
    1933年に世界的に知られているイタリアの自転車部品メーカーを設立した人物。
    1930年にクイックリリース レバーを発明し特許を取った(彼が取った135件以上の特許の最初)。
    1933年にディレイラーを発明。
    それ以前は、後輪の両側に歯数の異なるスプロケットが付いていて、後輪を外して左右の向きを変えて変速(2速)していた。
    競技では、この変速の時間も含まれるので、サイクリストのカンパニョーロは、クイックリリース レバーを発明した。
    競技には長距離の坂があり、変速が必要であった。

  •  会社
      イタリアのビチェンツァ(Vicenza)に本社及び工場がある世界的に存在を知られている自転車部品メーカーであるカンパニョーロ社。
      カンパニョーロが1933年に設立した。
    Vicenza工場(従業員350人)の他に
    MechRom1工場(従業員349人)及び
    炭素繊維強化樹脂製品などを生産している
    MechRom2工場(従業員37人)がある。
      ロードバイクの部品のみで、マウンテンバイクの部品は作っていない。
    1989年に参入したが、シマノに対抗できず1994年に撤退した。
        ホームページ





ロックナット間距離 (over locknut distance)

前ハブ後ハブ
概要
  ハブ軸の左右のロックナット(又はロックリング)外面間(ねじの出ている面)の距離(右図)。OLDともいう。
前ハブはフォークつめ間隔に対応し、後ハブはチェーンステイのつめ間隔に対応する。
前ハブ
  前ハブのロックナット間距離=100mm。
後ハブ
  後ハブのロックナット間距離=120、130及び135mm。トラックハブは、100、120、126及び130mm。
後輪軸はスプロケットが付くのでロックナット間距離が前輪軸より長くなっている。スプロケット数が多いほど、また車輪に働く荷重が大きいほど、ロックナット間距離(OLD)は大きくなる。
ロックナット間距離と荷重の関係
  ホイールスポークに働く荷重は、オフロードで衝撃の働くマウンテンバイク、 荷物を載せた旅行車 および2人分の荷重が加わるタンデム車において大きい。 これらの荷重はスポークに対する曲げ荷重ではなく、張力として受け止められるようスポークはリム中心線(車輪を後から見た時、リム中心とハブ中心を結ぶ線)に対して傾いている必要がある。 この傾き角(ブレース角)が大きいほど、大きな荷重に耐えられる。このスポークの傾き角は、ハブフランジ幅(ロックナット間距離に比例する)を大きくすると大きくなる。 そのため、後輪のロックナット間距離は、ロード系が130mmである場合はマウンテンバイクでは135mmそして
タンデムでは145mmまたは160mmに広げられている。 右図では、ノギスでロックナット間距離を測定している。
ただ、ロックナット間距離を大きくすると、Qファクターは不利になる。
エンド幅との関係
  後ハブのロックナット間距離は、チェーンステイのエンド幅に対応する。
   参考資料  「ロックナット間距離