自転車用語 (続き3)自転車探険!

フォーク (fork)

概要
  前輪のハブ軸を支持しているブレードをフォークと言う。
種類
  リジッドフォークおよびサスペンションフォークがある。 それぞれリムブレーキ用およびディスクブレーキ用(ディスクフォーク)がある。
リムブレーキ用は、リムブレーキの座が付いている。ディスクブレーキ用はディスクキャリパーの座が付いている。
  特殊なフォークとして、1本足フォークがある。
構造
  操縦管(ステアリングコラム又はステアラー)、フォーク肩(クラウン)、ブレード及びつめ(爪)で構成している。フォークの上端を曲げて肩としているものもある。 操縦管はフレーム先端の頭管(ヘッドチューブ)に差し込み、上下の玉軸受け(ヘッドセット)によって回転する。
操縦管には、ハンドルステムを固定する。フォークを購入すると長めの操縦管が付いているので、弓のこなどで必要長さに切断する。
フォーク肩
  フォーク肩(クラウン)の種類としては、ラグクラウン(ラグフォーク)及びユニクラウン(ユニクラウンフォーク)がある。
フォーク幅
  フォーク先端のつめ(爪、フォークエンド)の内面間の距離(つめ間隔)。前輪ハブのロックナット間距離(OLD)に対応する。
ロックナット間距離はロードバイクは100mmであるが、マウンテンバイクディスクハブは100mm及び110mmがある。
オフセット
  フォークは弓状に曲げることにより、オフセットを作っている。オフセットがあるとハンドルの動きが軽く早くなる。
荷重
  フォークには、リムブレーキ掛けによって前後方向の曲げ力が働く。その大きさは車軸から遠いほど大きく、フォーク肩において最大となる。従って、フォークは車軸からクラウン肩に向かって太くなっている。 ディスクブレーキの場合の曲げ力は、車軸部において最大となるため、ディスクブレーキ用のフォークが必要となる。
ブレーキ座
  ブレーキ座(マウント)の付いた形がある。リムブレーキをフォーク後方に付けた形がある。
非対称
  フォークの左右の非対称は、シミー(前輪の横振動)を誘発する要因となることがある。
材質
  ブレードの材質は、アルミ合金、クロムモリブデン鋼、チタン合金および炭素繊維強化樹脂(CFRP、俗に言うカーボン)など。
質量
  各社のフォーク質量を打点したグラフを右に示す。炭素繊維強化樹脂(CFRP、俗に言うカーボン)製(黒点)の平均質量は410gそしてブレードがCFRPで操縦管が金属製(茶点)のフォークの平均質量は520gとなっている。 クロモリ製のフォークは1点(水色点)しかないので平均値はわからない。
緩衝器
  マウンテンバイクにはサスペンションフォークが使われることがある。
管の切断
  操縦管の切断には、弓のこを使う。管材質がカーボンの場合は、カーボン専用の替え刃を使う。
治具
  金属製のフォークの製作には、フォークジグが使われることがある。
試験
  フォーク試験機がある。
リコール
 (1) Bianchiは2001年にランドナーフォーククラウンフォークブレードの結合部に亀裂が入り破損する可能性があるとして、約1,600台をリコールした。
 (2) Procycle Group社製でRocky Mountain Bicyclesが2007~2010年に販売した自転車(約1,030台)の操縦管が破損する可能性があるとしてリコールした。
 (3) Giant Bicyclesは2012年モデルのロードバイク2車種(合計900台)のフォークに亀裂が入る可能性があるとしてリコールした。
 (4) Specialized Bicycle Componentsは2011年に市販した2012年Tricross モデルのフォークのブレーキボスフォークレッグから剥離する危険があるとしてリコールした。
 (5) Specialized Bicycle Componentsは2007~2012年に販売した約12,000台のGlobeモデルのフォーク(Kinesis製)が破損することがあるとしてリコールした。
 (6) Wilier Triestinaは2011~2012年に販売したIzoard XP型のロードバイクのフォークの操縦管が破損するとしてリコールした。
        標準よりも肉厚の薄いアルミ合金管を使っていた。
 (7) Salsa Cyclesは2011~2012年に販売したフォークがディスクブレーキ座の上で曲がることがあるとして約1,700台をリコールした。
 (8) Surlyは2012~2013年に販売したフォークがディスクブレーキ座の上で曲がることがあるとして約980台をリコールした。
メーカー
3T Design4zaAdvanced CompositesAmbrosioAX-LightnessBikeHardBontragerCivia CyclesControl TechDean Ultimate BicyclesDedacciai
DMR BikesEastern BikesEaston SportsEnve CompositesFireEye BikesGusset BikesIdentiti BikesInterloc Racing DesignJian Sheng Bicycle
Karbona SportsKinesisKona BikesLook CycleNiner BikesOrigin8Oval ConceptsPROPro-LiteRitchey DesignSeven CyclesSoulcraft CyclesStorck BicycleTangeTHM Faserverbund-TechnologieToken productsTommasiniTout TerrainTrigon BicyclesTrigon Exotic Material Technology Velocite TechWethepeople BikeWhisky PartsWinwood 、 など。
   参考資料  「フォーク及びトレイル

インターバルトレーニング (interval training)

  期間訓練。インターバル訓練と同じ。

上管高さ (top tube height、standover height、standover、stand over)

概要
  上管(トップチューブ)上面の地面からの高さ(右図)。スタンドオーバー高さ又はスタンドオーバーとも言う。
選定
  上管高さはロード系自転車では股下(股の高さ)より20~30mm低いものそしてオフロードを走る
マウンテンバイクでは足を着地する場所が凹面になっている可能性もあるので股下寸法より50~100mm低いものを選定する。
傾斜上管
  上管が傾斜している傾斜上管の高さ位置はメーカーによって異なり、次の2つの場合がある。
    上管の前後方向の中央。
    ボトムブラケット芯(クランク軸芯)の真上。
  現実には上記2点の中間点あたりに立つことが多く、その場合の上記2点との高さの差は5mm程度。
実例
  各メーカーの寸法図のデータを使って、上管高さを打点したグラフを右上図に示す。横軸はフレームサイズそして縦軸は上管高さとしてある。 赤点はマウンテンバイク、緑点はクロスバイク、黒点は水平上管のロードバイクそして灰点は傾斜上管のロードバイクを表している。
  フレームサイズが大きくなると、上管高さが高くなる傾向が見られる。しかし、同じフレームサイズでも自転車種類およびメーカーによって、上管高さはばらついている。
  上管高さの平均は、マウンテンバイクが約770mm、クロスバイクが約770mm、水平上管のロード車が約780mmそして傾斜上管のロード車が約770mmとなっている。
上管高さの平均は車種によらずほぼ等しいが、その平均が現れるフレームサイズを見ると、マウンテンバイクでは約48cm、クロスバイクでは約51cm、傾斜上管のロード車では約53cmそして水平上管のロード車では約55cmと異なっている。

バテッド管 (buttted tube)

概要
片バテッド管両バテット管
  端部の肉厚を厚くした管。フレームを構成している管はその端部(結合部)に最も大きな力が働くので端部の肉厚はそのままとし、それ以外の肉厚は薄くして軽量化を計った管。
一般の用語としては、丸太などの太いほうの端をバットという。
歴史
  自転車のフレームに使う鋼製バテッド管は、1897年に英国のレイノルズが特許を取った。
種類
  片側の端のみ肉厚を厚くした片バテッド管(シングルバテッド)と両端の肉厚を厚くした両バテッド管(ダブルバテッド)がある。
また、管内面で肉厚を大きくした内(インターナリ)バテッド管と外面で肉厚を大きくした外(イクスターナリ)バテッド管がある。
外バテッド管の方が同じ強度で軽く(肉厚を薄く)できるが生産原価は高くなる。内バテッド管は段付き部が内部にあるので、外観はすっきりしている。
肉厚
  端部-中間-端部の肉厚[mm]例としては、0.8-0.5-0.8 、 0.7-0.5-0.7 、 0.7-0.45-0.7 、 0.65-0.4-0.65 、 0.6-0.45-0.6 および 0.5-0.38-0.5 などがある。
メーカー
   Columbus TubiDedacciaiEaston SportsReynolds 、など。

トラックスタンド (trackstand、track stand)

  静止均衡。自転車に乗って停止状態で倒れないよう均衡を取ること。語源はトラック競技で静止する(スタンド)ことから。
一般には、ペダルを逆回転させると後ろに走る固定ギアの自転車で行う。競技場のスプリント競技などで必要な技術。
  基本姿勢は、右(利き足)のペダルを前にしてクランクを水平にし、前輪は右(前に出ているペダルと同じ側)に約45°向ける。前輪を右に向けておくと、前または後のペダルを踏むことにより自転車が右左方向にも移動し均衡を取ることができる。
右に倒れる時は、右ペダルを踏むと自転車は人の重心方向に移動する(前輪と後輪の接地点を結ぶ垂直面が人の重心点へ動く)。
  「トラックスタンドの動画

マウンテンバイク (mountain bike)

概要
  オフロードの山(マウンテン)や丘を走るように設計された自転車。ゲイリーフィッシャーの登録商標であるが、一般名化している。MTBとも言う。
タイヤ
  サイズは26型が一般的であるが、29型(自転車は29erという)もある。タイヤは幅の広いブロックタイヤを装備している。
変速
  外装変速機付が多いが内装変速機付もある。変速機の付いていない単速マウンテンバイク もある。
分類
  前後の緩衝器(サスペンション)の有無で分類すると、
  (1) リジット(前後サスペンション無し)
  (2) ハードテイル(前サスペンションのみ)および
  (3) フルサスペンション(前後にサスペンションあり)に分かれる。
商品としてはハードテイルが多い。リジットは極めて少ない。
マウンテンバイクを街乗りに使う場合は、緩衝器は高価で重くなるため不要である。
電動式
  電動補助のマウンテンバイクがある。電動機クランクセットの前方に付いている。
立管(シートチューブ)から出たコードにプラグが付いており、バックパックに入れたバッテリーと接続する。
電動機出力はハンドルのにぎりの根元に付けた出力制御器を回すことによって変える。
マウンテンバイキング
  娯楽として、マウンテンバイクに乗ってオフロードを走ることをマウンテンバイキングという。
その人は、マウンテンバイカーという。
質量
  各メーカーの仕様より拾って、マウンテンバイクの質量を右図のグラフに打点して示す。
黒点はハードテイルそして赤点はフルサスペンションを示す。
ハードテイルの質量は約10~17kgそしてフルサスペンションの質量は約12~20kgである。
競技
  マウンテンバイクによる競技としては、クロスカントリー競技及びダウンヒル競技などがある。
  スペインで行われているマウンテンバイク競技として、アンダルシアバイクレースがある。
メーカー
  マウンテンバイクのメーカー
協会
  日本マウンテンバイク協会
 参考資料  「自転車の種類」    マウンテンバイク

バイクバッグ (bike bag)

  自転車を運搬するバッグである輪行袋と同じ。

チェーンガイド (chain guide、chain cage)


クリート (cleat)

概要
  クリートは、ペダルと結合する結合ペダル用の靴底に付けて、靴とペダルと結合するための樹脂または金属製の留め具。
一般には、靴とは関係なく、留め具のことをクリートという。また、滑り止めに一般の靴の底に付けるゴムの突起をクリートという。
極めて稀に、シュープレートと言われることがある。
種類
   ロードバイク用
   クリートは靴底から出ているので、ペダルとの結合が容易という利点がある。ロード用の靴は、軽量化のために靴底を薄くしているので、クリートを沈めることは困難である。
力の伝達を良くするためにクリート幅は広く、3本のねじで靴に固定する。
  マウンテンバイク用
   歩行時にクリートが地面にあたらないよう靴底に沈めているために、幅はロード用より狭く、2本のねじで固定している。
調整
   位置決めができるよう、ねじを入れる穴は長穴となっている。前後位置および向きを調節する。
前後位置は拇指球(親指の付け根のふくらんだ部分)がペダル軸上になるように合せる。左右の向きは、自分のつま先(足)の自然な向きに合せる。
外向き及び前向きの人が多く、内向きの人は少ない。
足裏は水平の人および左右に傾いている人がいる。 その傾きを補正するために、クリートと靴底の間に入れるクリートウエッジがある。
左右の足の長さの違いを補正するためにクリートと靴底の間に入れるシムとしてクリートシムがある。
清掃
  クリートは必要に応じて、ブラシ又は使用済みの歯ブラシなどで清掃することが望ましい。
磨耗
 歩くと磨耗するので、消耗品とされている。 磨耗するとペダルとの着脱が正常でなくなるので新品と交換する。
特殊仕様
 (1) 磨耗すると留めねじを外して90°回転すると、もう一度使える形がある(左図)。
 (2) かみ合わせ式に前後に分割されており、まず後部を交換して次に前部を交換すると取り付け位置が交換前と変わらないようにした形がある(中央図)。
カバー
  磨耗、路面との滑り及び音を防止するためにクリートに被せるクリートカバーがある。
工具
  靴への取付位置を調節する工具として、クリート工具がある。
メーカー
  シマノBBB Bike PartsCrankbrothersExustar EnterpriseHostettler(ixs)Look CycleMicheOriginal Bike EngineeringRitchey Design 、など。

マイクロドライブ (micro drive)

  1992年にサンツアーマウンテンバイク用に出した最小歯数19のクランクセット。大きなスプロケットと同等のギア比およびギアレンジを小さなスプロケットで達成しようとしたもの。
スプロケットに高度な熱処理を施すことにより、少ない歯数の耐久性上の欠点を克服した。PCDは小スプロケット用が56mmそして中および大スプロケット用が94mm。
その後1994年にシマノハイパードライブC(コンパクト)の名称で、最小歯数20のクランクセットを出した。
PCDは小スプロケット用が58mmそして中および大スプロケット用が94mm。コンパクトドライブのような名称になっているが、マイクロドライブに近い。

ミニVブレーキ (mini V brake、mini V)

概要
  Vブレーキ(シマノの商標)のアーム(キャリパー)を短くしてロープ(ケーブル)の引き距離を少なくし、ロード用のブレーキレバーが使えるようにした、第3メーカー(Tektro社等)がVブレーキに似せて作ったリムブレーキ。 シマノの商標に抵触しないよう、ミニV形ブレーキまたはミニVブレーキなどと名付けている。
用途
  サイクロクロス競技に使われるサイクロクロスバイクなどに使われることがある。
仕様
  アーム長さ(芯-芯)は旧新の形式によって異なり50~100mmそして支点シュー間距離25±5mm。
アーム比は旧新の形式によって異なり約2~3。
問題点
  泥よけを付ける空間がないのが欠点。アーム比が小さいため、Vブレーキのブレーキ力はない。
材質
  キャリパー材質は、アルミ合金、マグネシウム合金又はチタン合金など。
質量
  103~164g。
メーカー
  ヨシガイTektro TechnologyTRP Brakes 、など。

剛性 (rigidity、stiffness)

  物体が変形をしにくい物理的性質。具体的には、物体を変形させるのに要する外力の大きさ(単位の例は[N/mm])。変形には、引張り、圧縮、曲げまたは捩りなどがある。
高剛性のフレームホイール及び部品は、同じ変形をさせるのに大きな外力を必要とする。同じ外力に対しては、変形量が小さい。
  剛性は材料の特性(具体的には縦弾性係数)と形状によって決まる。炭素鋼、チタン、アルミおよびCFRP(炭素繊維強化樹脂)の剛性を比較すると、チタンは炭素鋼の1/2強、アルミは炭素鋼の1/3強そしてCFRPは炭素鋼の約60%でチタンよりやや大きい。フレームを構成する管の形状についてみると、質量が同じなら外径を大きくして肉厚を薄くすると剛性は大きくなる。クランクの場合、質量が同じなら中空にして幅を大きくすると剛性が大きくなる。
フレームの剛性には、縦(垂直)剛性および横剛性があるが、一般に縦剛性が大きいと横剛性も大きい。
  競技者(プロ)には、フレーム並びにクランク及びクランク軸など各種部品も、剛性が大きい(高剛性)ものが力の損失が少なく、かつ加速性も良いとして好まれる。

スポーク張力 (spoke tension)

  一般には、スポークに与える初期張力。スポークのニップルを回すと、スポークが引っ張られて張力が与えられる。 スポーク数が少ないほど、大きな張力を必要とする。
張力はスポーク張力計で計ることが出来る。張力が小さいとニップルが緩みやすく、張力が大きすぎるとリムスポーク穴に亀裂がいることがある。
はとめは張力を分散する働きがあり、亀裂が入りにくい。車輪の横剛性を均一にするため、またリムを真円に保つために、スポーク張力は均一であることが望ましい。
走行によって、それぞれのスポークの張力は周期的に変化する。スポークが上方に回ったきたとき、そのスポークの張力は最大となる。
  スポーク張力によって、リムには約5kNの圧縮力が加わる。
  車輪組み後のスポーク張力の低下は、次の原因で起こる。
     ニップルがリムのスポーク穴(ニップル穴)へ沈むこと。
     エルボハブフランジのスポーク穴に沈むこと。
     タイヤを付けて空気を入れると、タイヤ圧力によってリムが締め付けられること。
   参考資料  「スポーク張力の例」(初期張力の具体的な数値例)

戻しばね (return spring)

概要
  ディレイラー及びキャリパーブレーキを操作した後に元の位置へ戻すためのばね。
ディレイラー
  前ディレイラーおよび後ディレイラーなどに使われているが分解しないと見えないものが多い。
その戻し機構に応じて、各種のばねが使われているがねじりコイルばねが多い。
  ディレイラーにおいて、チェーンを大スプロケットから小スプロケットへ移すときは、シフトレバーを動かす手の力でロープ(ケーブル)を介して動かすが、大スプロケットから小スプロケットへの移動は、手の力で動かした時に貯えられた、戻しばねの力で行う(その逆もある)。
戻しばねの力を調節できるようにした形もある。
ばねの力を強くすると戻りはスムーズに行くが、行きのレバーは重くなるので、自分に合った妥協点を見つける。
ブレーキ
  右図は某社のシングルピボットブレーキの戻しばねを示す。
ブレーキを掛けた後は戻しばねでキャリパー及びリムブレーキパッドをを元の位置に戻す。
   参考資料  「低ノーマルと高ノーマル

空気抵抗 (air resistance 、air drag)

概要
空気抵抗の内訳例
区分 内訳% 
人体75 
 自転車 車輪9 
 フレーム 7 
フォーク7 
その他2 
小計25 
合計 100 
  風または走行によって、空気(1m3 の質量は約1.2kg)が身体および自転車に衝突することによって生じる抵抗。
内訳例を右表に示す。空気抗力及び空気ドラッグとも言う。
影響する要因
  空気抵抗に影響する要因は、
  1. 自転車の速度
      空気抵抗は速度の2乗に比例するので、速度が2倍になると(22 =)4倍に、3倍になると(32 =)9倍になる。
    このように、高速になるほど空気抵抗は走行に必要な動力の大きな割合を占めるようになる。
  2. 面積
      空気抵抗は前面への身体および自転車の投影面積に比例する。前傾姿勢は投影面積が減少し、空気抵抗が減る。
    競技服は体に密着しているので、面積が最小となる。一方、冬服は面積が大きくなる。
  3. 形状
      同じ面積でも流線型の方が空気抵抗が少ない。形状の違いは形状係数で表す。
  4. 空気密度
      空気抵抗は空気密度に比例する。冬は気温が低く空気密度が大きいので空気抵抗も大きい。逆に、夏は気温が高く空気密度が小さいので空気抵抗は小さい。
    高地では空気密度が小さく、空気抵抗も小さい。メキシコシティは高地で、平地より空気密度が20%ほど小さい。
    70年代および80年代の速度記録はメキシコシティで出ている。
  5. 集団走行
      ドラフティングによって空気抵抗は減少する。
計算式
D = 0.5 ρv2dA                                                              
  ここに、D:空気抵抗[N] 、 ρ:空気密度[kg/m3] 、 v:空気速度[m/s] 、 Cd:抵抗係数[-] 、 A:前面投影面積[m2
実測においては、Cd及びAを単独にデータを取るのではなく、一体にしたCdAとしてデータを取ることが多い。
測定
  空気抵抗は風洞で測定できる。

ドラフティング (drafting、draft)

概要
  風圧(空気抵抗)を減らすために、前の自転車のすぐ後を走ること。
ドラフトは引くという意味。
走行が軽くなるので、前の自転車が引いているように感じたらしい。
間隔
  前の自転車との間隔は、技能に応じて0.3~1mとするのが一般的。
間隔が小さいほど空気抵抗は小さくなる。
プロの競技者は50mm以下の間隔で走ることができる。
空気抵抗の減少
  4人で一直線(ペースライン)になって走る場合、2番目の人は15~30%動力が少ない。
3番目と4番目の人は20~35%動力が少ない。
先頭の人も2~3%動力が少なくなる。
先頭の人もわずかながら動力が少なくなるのは、背後に発生する渦流が減少するため。
  人と人の間隔と空気抵抗の減少の関係グラフを上に示す。
タイムトライアル
  ドラフティングは個人タイムトライアルには許されていないが、チームタイムトライアルには許されており重要な戦術である。
ドラフティング域
  トライアスロンは個人タイムトライアルと考えられているので、ドラフティング域に15秒以上入るとペナルティとなる。
一方、オリンピックスプリントなどは、ドラフティングを最大限利用する。
ステイヤーバイク
  ドラフティングを利用する自転車としては、ステイヤーバイク がある。

座金 (washer)

  ボルト頭下やナット下に入れる、ナットよりやや大きい環状板。ボルトやねじの入る穴が中央に開いている。 平座金、ばね座金および歯付き座金などがある。平座金を使用すると、ボルトやナットを締める時の摩擦係数が相手の表面状態によって変わらず、定トルク締め付けを可能にする。 座金の表面粗さによって、みがきと並がある。締付けトルクは取扱説明書に出ている。 ばね座金はばね鋼で作ってあり、円環の
1箇所が切れていて段差になっているが、ボルトまたはナットを締めると平坦になり、ばねの反発力でゆるみ止めの役目をするが完全ではない。
  ワッシャーとも言う。スポークに付けることのある座金として、スポーク座金がある。

ドラフティング域(drafting zone)

  トライアスロンなどにおいて、ドラフティングと見なされてペナルティとなる区域。主催者によって必ずしも一定していない。
一例は、後輪の最後部を起点に、後方5m 、両側に各1m 、計2mの範囲。後方5mはおよそ自転車2台分の長さ。

コーナリング (cornering)

  カーブを曲がること。

コーナリングで気をつけることは、
  • コーナリングでは自転車が傾いており、その状態でブレーキをかけると 不安定になり危険なこともあるので、手前の直線部で速度を落とす。
  • ペダルが路面にあたらないよう、傾いた側のペダルは上げる。
  • 安全のため、曲がっている時に、ペダルを漕がない。
  • 少しでも安定して曲がる場合は、曲がる側の肩を落とし、曲がる側のひざを外に出す。
 参考資料  「 コーナリングの傾き

ブレーキ鳴き (brake squeal、brake chatter)

概要
  ブレーキをかけた時、キーキー音が出ること。
原因
  リムブレーキパッドリムに付いたり離れたりを繰返して、可聴の振動(20~20,000Hz)が生じることにより起こる。
  リムの汚れ又はブレーキパッドのリムとの接触面の汚れが原因である場合がある。その場合はぼろ布や乾燥タオルで清掃すると、鳴かなくなる。
問題点
  耳障りな他、ブレーキ効率を低下させる。特に低周波数の場合は低下が大きい。
対策
  ブレーキをかけると、パッドの先端が先にリムと接触し、順次後方が接触し最後に後端が接触するように、パッドをリムに対して傾ける(トウインと言う)と、鳴かなくなることがある。 具体的には、パッド先端が接触したとき、後端はリムから約1mm離れているようにする。言い換えると、ブレーキ開放時には、パッド先端とリムの距離は、パッド後端とリムの距離より約1mm短くする。 パッドとリムは平行に接触するのが原則なので、効果が無ければ元に戻す。

チューブラータイヤ (tubular tire)

(1) 概要
  主に競技用の丸タイヤのこと。チューブラーはチューブ状という意味。
ロードレーサーなどのロード系の自転車、トラックレーサーおよびサイクロクロスバイクなどに使われる。
ツール・ド・フランスのプロの競技車の多くはチューブラータイヤを使っている。
(2) 構造
  タイヤの骨組みであるケーシング(コード)にチューブを包み込んで、チューブ状に縫い合わせる。
縫い合わせ面はベーステープを接着して保護している。ケーシングは繊維数60~220TPIの繊維層(コード)を接着して2~4層の多層としている。
耐パンクベルト(パンク保護ベルト)の付いたものもある。
(3) 特徴
  WOタイヤ(クリンチャータイヤ)に対する、チューブラータイヤの利点は:
  • タイヤおよびリムが軽い。リムテープがいらない。そのため前後輪合わせて500gほど軽い。
  • 回転部が軽いので加速性が良い。
  • タイヤ圧力を高圧(1,000~1,400kPa)にできるので、ころがり抵抗が小さい。
  • 断面形状が円形をしているので、振動吸収性がよい。
  • パンクした場合の安定性および安全性が大きい。
  • 緊急の場合は、パンクした状態でなんとか走れる。
  • パンク(スネークバイト)は起こしにくい。
  欠点は:
  • 取付けは接着が必要なこと。従って、すぐには走れない。
  • パンク修理が難しい。パンク修理は、パンク箇所の縫い目を外してチューブを部分的に出し、修理後に縫い合わせる。
    ただし、新品のタイヤと交換することも行われる。
  • 高価である。
(4) 材質
  ケーシングの材質はナイロン、ポリエステル、木綿または絹などの繊維。チューブの材質は、ブチルゴム、ウレタンゴムまたは天然ゴムである。
(5)質量
  呼び27インチおよび28インチのタイヤ質量を右のグラフに示す。27インチは赤点そして28インチは黒点となっている。
丸タイヤ呼び寸法
呼び   メーカー 
24 x 18 
24 x 22
26 x 19 P,C
26 x 20 A,V
26 x 22 A,C
27 x 18
27 x 19
27 x 21
27 x 22
27 x 23
28 x 18 A,T
28 x 19 C,T
28 x 20 A,T
28 x 21 T,V
28 x 22 A,C,T,V 
28 x 23 A,V
28 x 24
28 x 25 A,T
28 x 27
28 x 32 T,V
28 x 34 T,V
  メーカー
  P: パナソニック
  A: A.Dugast
  C: Continental
  T: TUFO
  V: Vittoria
(6) 寸法
  丸タイヤの呼び寸法を右表に示す。呼び寸法は、タイヤ呼び径[inch] x タイヤ幅[mm]となっている。
(7) 取付方法
  新しいチューブラータイヤのリムへの接着は、チューブラータイヤ専用の接着剤(リムセメント)を使う。
一般の接着剤は、ベーステープの接着剤を溶かす可能性があるので使わない。
接着剤を均一に広げるブラシとしては、軟らかい歯ブラシまたは幅広の絵の具筆などを使う。
(1) 接着剤塗布後にリムに取付けやすいように、タイヤを伸ばしておく。伸ばし方としては、次のような3方法が知られている。
  (a) タイヤをリムに取付けて所定空気圧まで空気を入れて、24時間以上放置する。
  (b) 片足でタイヤの内側を踏み、他端を両手で引っ張る。
  (c) 背中で斜めになるようタイヤを肩に掛け、片方のひざをタイヤに入れて押す。
(2) リムの接着面をシンナーまたはアルコールなどの溶剤で清掃する。ただし、炭素繊維強化樹脂(CFRP)リムに溶剤を使ってはいけない。
サンドペーパーなどで表面をざらつかせても、接着力が大きくなることはない。
(3) ベーステープが外を向く程度に、タイヤに空気を入れる。ベーステープに接着剤を付け、歯ブラシなどで均一に広げる。24時間以上放置する。
接着剤がケーシングまで出たときは、そのままにしておく。溶剤で拭き取ってはいけない。
(4) リムの接着面の全幅において、接着剤をブラシで広げて接着剤の薄い第1層を作る。24時間以上放置する。
(5) リムの接着面の全幅において、接着剤をブラシで広げて接着剤の薄い第2層を作る。12時間以上放置する。
(6) リムの接着面の全幅において、接着剤をブラシで広げて接着剤の薄い第3層を作る。接着剤がべとつくようになれば、リムに取付ける。
(7) バルブ穴が上になるように、リムを立てる。タイヤのバルブをバルブ穴に入れる。バルブから約20cm離れたタイヤの両側を両手で持って両側下に強く引き、この間のタイヤをリムに付ける。 手を約5cmずつ移動させて、この動作を繰り返す。最終段階においては、親指でタイヤ内面を押してリムに入れる。
(8) 膨らむ程度に空気を入れて、タイヤが全周に渡ってリムの中心にあることを確認する。必要なら修正する。
(9) 所定の空気圧になるまで空気を入れる。
(8) メーカー
  パナソニック ポリテクノロジーA.DugastChallengeContinentalDedaTreFMBRitchey DesignTUFOVeloflexVittoria など。

アワーレコード (hour record)

  時間記録。1時間に走った距離の記録。数値上は平均速度[km/h]に等しい。
時間記録保持者は、男性が英国人のボードマンで49.442km(49km442m)(2000年)そして女性が仏人のロンゴで45.094km(2000年)。 これらはUCIの規定(フレームは肉厚2.5~8mmの鋼管製菱形フレーム、前後輪は同一寸法そしてスポーク数は18本以上など)に準拠して走った記録で、準拠していない自転車による時間記録はボードマンの56.375km(1996年)。 一般に、時間記録は観衆が見守る風の無い屋内競技場で計測される。
写真は1972年にEddy Merckxが時間記録を出した自転車。車輪のスポーク間には、展示室の背景が映っている。

シート角 (seat angle、seat tube angle)

概要
  立管(シートチューブ)が水平地面となす角度(右図)。この角度は幾何学上、立管が水平の上管(トップチューブ)となす角度と等しい。
サドル位置
  シート角によって、クランク軸に対するサドルの前後位置関係が決まる。
その関係は脚力が最も効率よくペダルに伝達される位置関係とする。
  緩やかなシート角はサドルを後方に移動させ、きついシート角はサドルを前方に移動させる。
フレームサイズにもよるが、シート角が1°きつく(大きく)なると、サドル位置は約10mm前へ移動する。
逆に、シート角が1°ゆるく(小さく)なると、サドル位置は約10mm後へ移動する。
実例
  ロードバイクマウンテンバイク及びTTバイク(タイムトライアルバイク)に関し、各社の寸法図のシート角のデータを打点したグラフを上図に示す。あまり明確ではないが、フレームサイズが大きくなると、シート角が小さくなる傾向が見られる。 フレームサイズの大きい自転車には身長の大きい(足の長い)人が乗るため、シート角を小さくしてペダルを前に出す必要がある。
  このデータではロードバイクのシート角は72~75°、マウンテンバイクのシート角は72~74°そしてTTバイクのシート角は72~79°である。
シート角の平均はロードバイクが73.3°、マウンテンバイクが73°そしてTTバイクが76°である。
リカンベント
  リカンベントにおいては、背もたれ角のことをシート角と呼ぶことがある。

チェーンライン (chainline)

概要
  フレーム芯からチェーン芯までの距離。チェーンはスプロケットにおいて左右のガタがあるので、実測値としてはフレーム芯からスプロケット群の中心までの距離。
クランクスプロケット
  前2段変速の場合は、2枚のスプロケットの中間までの距離(左図のC)。
前3段変速の場合は、中間スプロケット芯までの距離(右図のC)。
シマノの部品のチェーンラインは、ロードバイクの2段は43.5mm、3段は45mmそしてマウンテンバイクは47.5mmまたは50mm。
後輪スプロケット
  後輪スプロケットのチェーンラインは、後輪爪(ドロップアウト)間の中心をフレーム芯と見なす。
チェーンラインはこのフレーム芯とスプロケット群(カセットスプロケット)の中心との距離(右図のC)。
前後スプロケットのチェーンライン
  チェーンの斜め掛けを少なくするために、公称のチェーンラインはクランクスプロケットと後輪スプロケットで等しいことが望ましい。
特に単速の自転車では前後スプロケットのチェーンラインを完全に合わせることが重要。
公称チェーンライン
  自転車の種類と変速機によって異なるが、40.5~50mm。一般にロードバイクよりもマウンテンバイクのチェーンラインが大きい。
マウンテンバイクはフレームの立管が太いこと及びタイヤが太いことなどが原因。ディレイラーのチェーンラインはスプロケットのそれと合っていることが必要。
ベルトライン
  ベルト駆動の自転車の場合は、チェーンラインに対応するベルトラインがある。
   参考資料  「チェーン」  チェーンライン

トレイル (trail)

トレイル
  •  フォーク
      フォーク操縦管中心線を延ばして路面と交わる点と前輪タイヤの接地中心点の距離。 トレイルは引きずるという意味。トレイルが長いと、直進走行の安定性が良い。一方、トレイルが短いと、操縦性が良い。シティ車および旅行車(ツアーリングバイク)は走行安定性を重視して、トレイルが長い。
      トレイルが長いと、ハンドルから手を離しても直線進行するが、短いとハンドルがどちらに向くか分からないので、無意識ではあるが常に操縦していなければならない。
      トレイルはタイヤ外径、ヘッド角およびフォークオフセットで決まる。これらのデータを使って下記の参考資料により、トレイルを計算できる。
     参考資料  「フオーク及びトレイル
  •  
      競技、旅行またはサイクリングなどに使う公道またはオフロードの道(道程)。

乗車姿勢 (position、riding position)

  自転車に乗って走る時の姿勢。身体と自転車の接点は、ハンドルサドルおよびペダルであり、この3点の相対位置によって乗車姿勢がほぼ決まる。
乗車姿勢は空気抵抗、出力、走行速度、快適さ、操縦性および持久性などに影響する。
これらの中には互いに反するものもあり、全てを満足する乗車姿勢はなく、これらの妥協となる。
乗車姿勢は自転車の種類(ロードバイクトライアスロンバイク及びリカンベントなど)、構造及び寸法(コクピット長及びサドルとハンドルの相対高さ)などで決まるが、ドロップハンドルなどの握る位置によっても変わる。
  早く走るためには、空気抵抗を減らすために前傾姿勢とし、手足の左右幅は小さくする。
手の幅は肩幅より小さくすると操縦が不安定となるので、トレイルが大きいことが意味を持つ。
足幅はクランク外端間距離(Qファクター)で決まる。乗車姿勢によって肩角度は変る。
  右図の乗車姿勢において、左から1~3番目まではドロップハンドル、4番目は
タイムトライアルハンドルそして5番目はリカンベントの乗車姿勢。
  走行速度40km/hのとき、タイムトライアルハンドルの乗車姿勢はドロップハンドルの乗車姿勢に比べて動力は約30W少ない。
  乗車姿勢を簡単に調べる方法として、乗車して前輪ハブを見る方法がある(上図)。
ハンドルの後方に前輪ハブが見える場合は、胴角度(水平と胴の角度)が大きいとみなす。
ハンドルの前方に前輪ハブが見える場合は、胴角度が小さいとみなす。正確さはなく一つの目安であり、人によってはハブがハンドルに隠れる姿勢が最適ということでもない。
  乗車姿勢の違いによる空気抵抗の違いは、風洞及び計算流体力学で知ることができる。

車輪(wheel)

分類
  前輪及び後輪がある。前輪は左右対称であるのに対し、後輪はスプロケットが付くため、左右非対称。
タイヤ未装着の車輪をホイールと言うことがある。
構成
  タイヤチューブバルブリムスポークニップルハブ及びハブ軸で構成されている回転体。クイックリリース付きもある。
大きさ
  車輪の大きさはフレームの大きさで決まり、フレームが許容できる大きさ以上の車輪を付けることはできない。
フレームの大きさは主に身長で決まる。
シティ車の場合は、男性は27型そして女性は26型が向いている。車輪が大きいほど路面の凹凸に適応しやすい。
外径が小さいと加速性は良いが、曲がりと下りの安定性が劣る他、転がり抵抗もいくぶん大きい。
強度
  車輪の強度の80~90%は、スポーク数およびその強度で決まる。
駆動
  後輪はペダルの回転によってチェーン駆動ベルト駆動又はシャフトで駆動されるが、前輪は走行に伴い路面によって回される。ただし、前輪駆動の自転車もある。
   参考資料  「ホイール

破裂 (burst、blowout)

概要
  タイヤチューブの破裂の特徴は大きな破裂音がして、長手方向の切り欠きが出来ていること。 高圧のタイヤで起きやすい。バーストとも言う。
原因
  破裂はタイヤの中で起こることは稀で、タイヤがリムから離れた時に起こることがある。離れた部分のチューブが外に膨らんで破裂する。
多くの場合、破裂後タイヤは元の状態に戻るので、タイヤの中で破裂としたと感じる。
チューブがビードとリムの間に挟まれた状態で空気を入れると破裂することがあるが、普通のタイヤの取り付け方をすればまず挟むことはない。
防止方法
  チューブ交換後の破裂を防止するには、タイヤのリム近辺を押して適切にリムに装着されているか、かつタイヤのリムへのはまり具合が全周に渡って均一であるか確認する。または、空気を入れているときにタイヤがリムから部分的に離れようとしていないか点検する。
   参考資料  「タイヤ」    クリンチャータイヤ    取付け手順

スリックタイヤ (slick tire)

  踏面(接地面)に、彫刻模様(溝)が全くないタイヤ。スリックは、なめらかという意味。 転がり抵抗が少なく、軽く静かに走ることができる。
溝や突起があると、接地面で溝を埋めるような変形(トレッドスクワームと言う)が起きてエネルギー損失となる。
異物が幾分刺さりにくいので、その分パンクしにくい。スリックだから濡れた路面でより滑りやすいということはない。
  スリックタイヤは外観上滑り易いように見える。しかし、現実はブロックタイヤおよび溝の多いタイヤより接地面積が大きいため、舗装路においては滑りにくい。
氷上においても、溝のあるタイヤよりも接触面積が大きいため接触圧が低く、相対的に滑りにくい。自転車の最大の傾き角(リーンアングル)も大きい。 ゴムの磨耗により、コードが1箇所でも見えるようになれば、新品と交換する。 競技用自動車、競技用オートバイおよび飛行機のタイヤは完全なスリックが常識となっている。

スリップ比 (slip ratio)

  タイヤの路面に対する滑り割合を示す比率。滑りが無い場合は0そしてタイヤがロック(回転停止)して完全に滑っている場合は1となる。
スリップ比 = (車速 - 輪速)/車速
  上式の車速は走行速度そして輪速はタイヤの外周速度。ブレーキ操作の時、スリップ比が0.1~0.2の場合に、タイヤの制動力(摩擦係数)は最大となる。 スリップ比の100倍(百分率)は、スリップ率と言う。

反射器 (reflector)

名称場所
前反射器 フレーム前 無色
後反射器フレーム後
 ペダル反射器 ペダル前後 無色又は黄 
前車輪反射器前車輪無色又は黄
後車輪反射器後車輪無色又は赤
概要
  夜間、車のランプ光に反射して、車の運転手が視認できるように加工した、プラスチック製の安全用器具。 スポークペダルペダル反射器)、後輪泥よけ及びシートスティなどに付けて、夜間に自転車の存在を知らしめる。後から来る車の運転手の視認距離を大きくする効果もある。取付位置に応じて形状が異なる。 後方から視認できる後反射器(リヤリフレクター)と横から視認できる横反射器(サイドリフレクター)に分類されることがある。
規則(日本)
  道路交通法 施行規則 第9条4には、反射器材に関して次の規定がある。
1 夜間、後方100mの距離から、基準に適合する前照灯で照射したとき、その照射光を照射位置から容易に確認できるものであること。
2 反射光の色は、橙色又は赤色であること。
規則(米国)
  CPSC 16CFR1512 に規定する反射器の色を右上表に示す。 同表において、車輪の反射器はスポーク反射器または、リムまたはタイヤの側面全周に付けた反射器とする。
メーカー
  キャットアイSpanninga 、など。

前照灯反射器
  前照灯に付いている反射器がある。
ランプの光を反射させて、光を有効に前方に照射する。

速筋 (fast twitch muscle、fast twitch fiber、fast twitch muscle fiber)

  筋肉は速筋繊維と遅筋繊維の2種類で構成されている。速筋は急速に収縮し早く疲れる。遅筋はゆっくりと収縮し疲れにくい。
二種類の筋肉繊維の割合は、筋肉の種類および人によって異なる。
練習にもよるが、速筋の多い人はスプリントに向いており、遅筋の多い人は長距離走行に向いている。
速筋はエネルギーの発生に酸素を使わないので、毛細血管が少なく白色をしている。遅筋は酸素を使うので、多くの毛細血管が来ており赤色をしている。

フリーホイール (freewheel)

概要
爪車 (ラチェット)爪 (ポール)
  爪車(ラチェット、ラチェットギア)とばねの付いた爪(右写真の赤矢印)の組み合わせによって、ペダルが正回転の時のみ動力を車輪に伝える機構。
正回転のときは爪(ポール)が爪車の歯に引っかかり回転を伝えるが、逆回転のときは爪が爪車の歯の上を滑って回転が伝わらない。
写真では、爪はスプロケットの付くフリーハブボディに付いて、爪車はハブ本体に付いている。
軸受、爪車及び歯を一体にした方式がある。歯としてはチェーン用及び歯付ベルト用がある。
  フリーハブボディに付いているスプロケットを一体にして、フリーホイールと呼ぶこともあるが、適切でない。
機能
  フリーホイールがないと、例えば下り坂でペダルを止めると、車輪の回転によって逆にペダルが回される。
歯の数
  爪車(ラチェットギア)の歯の数が多いほど爪と噛み合うまでの回転角が小さくなるため、駆動までの時間(ペダルを漕いでから後輪が回るまでの時間)が短くなる。
歯数は20(写真)~45歯。歯数が多いほど外径は大きくなる。45歯の形は360°/45=8°より、後輪が最大8°の回転で噛み合う。
爪の数
  3個(写真)または4個が多いが6個もある。
歴史
  1869年にアンデンが特許をとり、1898年にサックスが商品化した。
メーカー
  White Industries 、など。

サイクロクロス(cyclocross、cyclo-cross)

草原 急な坂 降りる 担ぎ コーナリング ドラフティング バニーホップ
概要
  サイクロクロスは、自然の地形を生かして作ったオフロード短距離の周回コースを、規定時間に何周できるかを争う自転車競技。
1940年代に欧州で始まった。自転車はサイクロクロスバイクを使う。
コース
  周回コース長は2.5~3.5km。
規定時間はカテゴリーにより30分、45分および60分。
コースには自転車を肩に担いで行く競技者が多い短い急な坂及び丸太などの障害物がある。競技中に予備の自転車と交換可。
交換した自転車は、ヘルパーが泥の清掃や整備を行い、次の交換に備える。
技能
  ロード競技及びマウンテンバイク競技の技能が必要と言われる。
担ぎコーナリングおよびドラフティングなどの技能が必要。
降りるときは右手で上管を持って降り、担ぎの動作に移れるようにする。丸太などを飛び越えるバニーホップという技術が必要な場合もある。 トレーニングを行う場がある。
語源
  サイクロクロスは、サイクルレースとクロスカントリーを合わせた造語。












欧米ではサイクロクロスと言うが、日本ではシクロクロスと誤って呼ばれることがある。これはサイクリングをシクリングと言うが如きで、意味不明の極めて不適切な用語。

  サイクロクロスシューなどが使われる。
動画
   サイクロクロスの動画 (音声を聞くと「サイクロクロス」と言っている)
競技
  米国のネバダ州ラスベガス(Las Vegas)で2007年から行われているサイクロクロス競技として、CrossVegasがある。

転がり抵抗 (rolling resistance)

概要
  タイヤと路面間の走行抵抗で、ペダルの重さとして体感できる。
空気圧
  タイヤ圧力が高く(右図)、外径の大きいスリックタイヤが転がり抵抗が小さい。
路面
  アスファルト舗装よりコンクリート舗装が平坦なために転がり抵抗が小さい。
原因
  転がり抵抗の主な原因はタイヤ(トレッドおよびケーシング)およびチューブの変形によるエネルギー消費。従ってタイヤの空気圧が低く変形しやすいと、転がり抵抗は大きくなる。 空気圧が高いほど転がり抵抗は小さい。溝のあるタイヤはタイヤの表層部が溝に膨らむように変形(トレッドスクワーム)して、エネルギー損失となる。 特にブロックタイヤは損失が大きい。
タイヤ型式
  クリンチャータイヤチューブラータイヤ(丸タイヤ)の転がり抵抗を比較すると、同一空気圧なら大差ないが、チューブラータイヤ(丸タイヤ)はタイヤの空気圧を高圧にできるので、転がり抵抗を小さくできる。
タイヤ材質
  タイヤの材質も転がり抵抗に影響する。天然ゴム合成ゴムより変形によるエネルギー吸収が少ないため、転がり抵抗が小さくなる。
カーボンブラックの割合が多いとエネルギー吸収が大きくなり転がり抵抗が大きくなるが、タイヤ磨耗は少なくなる。
チューブ材質
  ラテックスチューブは、厚さ0.6mmのブチルチューブより約10%転がり抵抗が小さい。
タイヤ幅
  幅の広いタイヤは転がり抵抗が小さい。これはトレッド及び側壁の変形が小さいため。ただし、空気抵抗は大きく質量もやや大きい。
例えば幅25mmのタイヤは幅23mmのタイヤより約5%転がり抵抗が小さい。
タイヤ外径
  タイヤ外径が大きいとタイヤの変形が小さいのでエネルギー損失が小さく、転がり抵抗が小さくなる。
計算式
  転がり抵抗Dは、次式で与えられる。                 D = C ・m・g・v
ここに、 D : 転がり抵抗 [W] 、C転がり抵抗係数 [-] 、m : 自転車及び人の質量 [kg] 、g : 重力の加速度 [m/s] 、v : 走行速度 [m/s]
 転がり抵抗 
計算器
 転がり抵抗係数   自転車及び人の質量  走行速度  転がり抵抗 
      kg    km/h    W 
計算器
  転がり抵抗を計算する計算器を右に示す。
荷物がある場合はその質量も自転車及び人の質量 に加える。
試験
  メーカーなどのタイヤの転がり抵抗及び耐パンク性などを有料で試験する業者として、Wheel Energy(フィンランド)がある。

重心 (center of gravity)

  物体の各部に働く重力の作用と等価な合力の作用点。物体の各部に働く重力をただ一つの力で代表させるとき、それが作用する点。
自転車に乗ったときの身体の重心は、へその少し前方にある。
胎児は母親の羊水の中で、へその緒で母親の胎盤とつながっている。
静止物体は重心が低いほうが安定するが、自転車のように(無意識的にあるいは意識的に)釣り合いを取りながら動かす物体は重心が高い方が安定する(釣り合いを取りやすい)。静的安定の感覚で動的安定を見ると、直感に反すると感じる。
小さい自転車は大きい自転車に比べて人体を含めた重心が低くなるため、問題になるほどではないが不安定。
  シティ車、サイクリング車および旅行車などに背が低い自転車が無いのは、重心を高くして動的安定性を向上させていることが1つの理由。

チューブ (tube、inner tube、tire tube)

概要
  タイヤに入れて膨らませる薄いゴム製の円環。バルブステムと一体になっている。
付属品
  バルブナットバルブ及びバルブキャップを付けて販売している。
材質
  一般に、チューブの材質は合成ゴムであるブチルゴムまたは天然ゴムが使われる。 ブチルゴムはガス透過率が小さい。ガス透過率は厚さに反比例するので、チューブ厚さが倍になればガス透過率は半分になる。ただし質量は、ほぼ倍になる。 ガス透過率は温度が高いほど大きくなるので、冬より夏の方が、チューブの空気抜けは早い。
天然ゴムは反発弾性が良いので乗り心地がよく、かつエネルギー吸収が少ないので転がり抵抗が小さいが、価格は高い。
パンクの時、その原因となった異物の周りに付着して空気が抜けにくい材質のゴムを使った形がある。
軽量化のために軟質プラスチックを使ったものがある。
肉厚
  ロード用の肉厚は、0.6mm(薄肉)、0.9mm(標準)及び1.2mm(厚肉)の3種類がある。
クロスバイク用及びマウンテンバイク用は2mm厚がある。
質量
  チューブの質量は、外径、幅、肉厚および材質等で決まり、およそ50g(ロードバイク用)~300g(マウンテンバイク用)。
700C用のチューブ質量を打点したグラフを右に示す。横軸はタイヤ幅そして縦軸は質量を示す。肉厚によって質量は変わるが、肉厚は不明。
圧力
  タイヤ圧力によって決まる。
検査
  Schwalbeでは、定格圧力の150%の圧力で36時間膨らませた後に検査をしている。
取付方法
  (1) タイヤの一方のビードをリムのビード座に置く。
  (2) 丸くなる程度にチューブに空気を入れる。
  (3) バルブステムをリムのバルブ穴に入れる。
  (4) チューブをタイヤに入れる。
  (5) バルブの反対側から始め、タイヤの他方のビードをビード座に入れる。
  (6) バルブが直立していることを確認する。
  (7) タイヤのリムラインを見ながら、全周に渡ってタイヤの左右の芯出しを行う。
  (8) 所定圧力まで空気を入れる。
付着防止
  製造後の付着防止のために、製造工程でタルク粉が使われることがある。
突起チューブ
  断面形状を四角とし全周に突起を設けたチューブがある(右図)。四角のためリムに取り付け易くかつ、捩れがないと言う。
パンクで穴が開くと、一般のチューブは伸びて穴を大きくするが突起付きのチューブは収縮して穴を小さくすると言う。メーカーはMichelin。
直線チューブ
  車輪を外さずに取付け出来るようにした、リニアチューブがある。
シーラント
  チューブシーラントを入れて販売しているチューブがある。
メーカー
   井上ゴム工業パナソニック ポリテクノロジーBBB CyclingCheng Shin RubberContinentalEclipse MicrosystemsFoss WorldwideHostettler(ixs)
HutchinsonIntense Tire SystemsKendaMaxxisMichelinRubenaSchwalbeなど。
 参考資料  「チューブ

エポキシ樹脂 (epoxy resin)

  分子内に2ヶ以上のエポキシ基を有する化合物の総称。接着強度および強度が大きいので、炭素繊維布の接着補強樹脂として使われる。
エポキシ樹脂は日光の紫外線(UV)によって劣化する。 CFRP(炭素繊維強化樹脂)製のフレームなどは、紫外線吸収塗料を塗装して保護する。
  物性は、比重:0.75~1、引張強度:18~28MPa、圧縮強度:69~104MPa、曲げ弾性率:3,450~5,180。

炭素繊維(carbon fiber)

  アクリル繊維などを焼成して作った、炭素で出来た繊維。高張力(強さ)、低密度(軽さ)、耐疲労性、耐蝕性および振動吸収性などの特徴がある。
炭素繊維のみでは成型できないので、樹脂を炭素繊維の織物で強化した炭素繊維強化樹脂として使われる。写真はシート状に織った炭素繊維の巻物。
  1986年に米国のクレステルが一体成型の炭素繊維フレームの自転車を、そして同じく米国のトレックがラグ式の炭素繊維フレームの自転車を市販した。
   炭素繊維協会ホームページ、   東レの炭素繊維、   三菱レイヨンの炭素繊維

炭素繊維強化樹脂 (carbon fiber reinforced plastic、CFRP)

概要
  炭素繊維の織物(炭素繊維布)を積層して、形状を維持するためにエポキシ樹脂などで固めたもの。 CFRPまたは炭素繊維複合材ともいう。俗にカーボンといわれる。
炭素繊維の割合
  フレームに使われる炭素繊維強化樹脂の炭素繊維の割合は容積で60~65%のものが多い。樹脂の割合は質量で25~40%のものが多い。樹脂の割合が少ないと、炭素繊維を保持できない。 炭素繊維の割合の上限は70%とされている。樹脂の割合が多いと、重くなりかつ強度が低下する。そのため、炭素繊維/樹脂の最適比がある。
強度
  強度は炭素繊維の原料の種類、繊維の織り方、積層の向き、積層数および樹脂の割合などで異なる。強度は炭素繊維量に比例する。 炭素繊維の引張強度は鋼材よりも大きいが、樹脂の強度、弾性率は鋼材よりも小さく、成型されたものは炭素繊維そのものの強度、弾性より低下するものの、鋼材と同程度、もしくはそれ以上の強度を持つ。
密度
  軽さの指標となる密度は、クロモリ鋼の約1/5そしてアルミ合金の約1/2である。
振動吸収性
  振動吸収性は鋼材に比べてはるかに大きい。
製品
  炭素繊維強化樹脂製の製品としては、フレームフォークハンドルハンドルステムサドル支柱クランクリム
ヘルメット及びボトルケージなどほとんどの製品に使われる。軽量化を主目的としている。
原材料(炭素繊維)費が高いこと、製造コストが高いこと及び利益率を大きくしなければならないこと、により高価となる。
価格が軽量化に見合っているかは、使用者の価値観による。
寿命
  炭素繊維強化樹脂の寿命は、炭素繊維よりもはるかに短い寿命のエポキシ樹脂の寿命で決まり、10年以上である。
製法
  炭素繊維布を所定の形状に切断して、樹脂を浸み込ませてプリプレグを作り、 オートクレーブ(耐圧釜)などの加熱炉で加熱して硬化させる。右図はBike Ahead Composites社のオートクレーブ。

空力姿勢 (aero position)

  空気抵抗を減らすために、上半身を水平近くまで前傾させた乗車姿勢
主にトライアスロンバイクに関して使われる。
ドロップハンドルは多種の乗車姿勢が取れるのに対し、トライアスロンバイクは腕置き(アームレスト)の位置(前後および上下など)によって空力姿勢が決まる。
腕置きの高さはサドル高さよりかなり低いので、腕置きに前腕を置くと背中は水平に近づく。
空力姿勢によって、呼吸などの機能が少し低下し出力が少し低下するが、
空気抵抗の減少による負荷の低下の方がはるかに大きい。

合成ゴム (synthetic rubber)

  天然ゴムの代替品として、石油およびアセチレンを原料として合成した、ゴムの物性を持つ高分子物質。
多くの種類の合成ゴムが開発されてきたが、車輪チューブにはブチルゴムそしてタイヤにはスチレンブタジエンゴム(SBR)が使われる。
  合成ゴムが発明されたのは古く欧州にさかのぼるが、人材を集めて大量生産技術を開発し、大規模な生産が始まったのは第二次世界大戦時の米国で、日本軍によって南方のゴム園が押さえられたため。

フック (hook)

  リムの両壁の内面端全周にある突起。クリンチャータイヤビードを保持する。リムの剛性を高める働きもいくらかある。
フックの形状は車種およびリムメーカーによって微妙に異なる。
  リムはフック付が一般的である。歴史的な違いにより、フック付リムの呼び方は自転車の用途によって2種類ある。 シティサイクルおよびロードバイクのリム(英国・欧州系)はWOリムそしてマウンテンバイクのリム(米国系)はHEリム(いずれもクリンチャーリム)と呼ばれる。
  フックの無いリムは平リムと呼ばれる。

シングルピボット (single pivot、single pivot brake、single pivot suspension)

ペダルクリアランス (pedal clearance)

  ペダルすき間と同じ。

ブレーキケーブル (brake cable)

概要
  ブレーキハンドルから遠隔操作するために、ブレーキレバーとブレーキキャリパーを連結する鋼製ロープ
寸法
  外径は1.5mmおよび1.6mmなど。長さは前輪ブレーキ用が約900mmそして後輪ブレーキ用が約1,500mm~1,700mm。
ケーブルカッターで所定長さに切断して使う。
仕様
  一端には、ブレーキレバーと連結するためのケーブルエンド(たいこ)が付いている。
材質
  ステンレス鋼が多い。摩擦を減らすためにテフロン被膜を付けたものもある。
質量
  後輪ブレーキ用の質量は、約50g。
点検
  主な点検事項は、ブレーキレバーおよびブレーキキャリパーとの連結部のロープのほつれ並びに磨耗。磨耗はアウターの曲がり半径の小さい場所で生じる。
リコール
  (1) シマノは2003~2004年に予備品として販売したロードブレーキケーブル(外径1.6mmx長さ1700mm)のたいこが外れる外れる可能性があるとしてリコールした。
  (2) W.L. Gore & Associates社は、一部の製品のたいこが外れる事故があったとして、2012年にその品種をリコールした。
メーカー
  シマノCampagnoloClarks Cycle SystemsDelta CycleFibraxHostettler(ixs)JagwireNokonThe Shadow ConspiracyWethepeople Bike
W.L. Gore & Associates 、など。

圧力 (pressure)

  単位面積に均一に加えられた力。従って、圧力の単位には力と面積が含まれる。力と面積の単位に何を使うかによって、各種の圧力の単位がある。
現在は、世界的に力の単位としてニュートン[N]そして面積の単位としてヘーベ(平方メートル)[m2]を使うことになっているため、圧力の単位は[N/m2]となる。
しかし、一般には[N/m2]をパスカル[Pa]と略記する(1 Pa = 1 N/m2)。
  パスカルはフランスの哲学者・数学者・物理学者で、大気圧および液体圧に関する業績があることに敬意を表し、単位に採用された。
   参考資料  「圧力単位の換算

ペダルすき間 (pedal clearance)

  •  下死点
      ペダル下死点における、ペダルと路面の距離。ペダルクリアランスとも言う。 ペダルすき間にはボトムブラケット(BB)高さクランク長およびペダル厚さなどが影響する。オフロードでは地面の障害物に影響される指標となる。 コーナリングにおいては、ペダル踏み幅およびタイヤ幅も影響する。
    ペダルすき間が大きいと、コーナリングにおいてペダルを漕げる可能性が大きくなる。
  •  コーナリング
      コーナリングにおいて、ペダルが路面と接する時の、自転車の傾き角度。コーナリングクリアランスとも言う。
    JISの規定は、「ペダル接地角は25゜以上でなければならない。」(JIS D9301)
    CPSCの規定は、「自転車はペダルが最下位にあるとき、ペダルおよび他の部品が地面に接触せずに、両側に25度傾けられること。」(16CFR1512)

シングルスピード (single speed、single speed bike、single speed bicycle)

  単速のこと。

コンパクトドライブ(compact drive)

  ギア比を小さくして登坂を楽にするため、クランクスプロケットの歯数を標準的な39T_53Tに対して、34T_50Tに少なくしたスプロケットクランクの組合せ。 その際、後輪スプロケット(カセットスプロケット)は、標準的な12T_25Tに対して11_23Tであることが多い。
写真はロード用の50T_34T(2段)のクランクセット。小さいスプロケットが装着できるよう、スプロケットをクランクに固定するスプロケットボルトピッチ円直径(PCD)は110mm以下と小さくなっている。 ボルト穴のピッチ円直径は130mmまたは135mmが主流であるが、昔は110mm以下であった。
  利点は質量が幾分小さくなること及びQファクターを短くしてもスプロケットが小さいのでスプロケットとチェーステイとの隙間が確保できること。
欠点は歯数が少ないため磨耗が幾分早いこと及び互換性に乏しいこと。
   参考資料  「コンパクトドライブ

ブレーキング (braking)

  ブレーキをかけること。前輪と後輪のブレーキのかかり方の違いは、次のようにすると良く分かる。 自転車の横に立ち、ハンドルの左右の握りを両手で持って自転車を押して早足で歩く。前輪および後輪にブレーキをかける。前輪が後輪よりブレーキのききが良いことが実感できる。後輪は地面を滑るかまたは地面から持ち上がる。
  この前後輪のブレーキのききの違いは、自転車の慣性(自転車に乗っている時は人体および自転車の慣性)によって生じる。
ブレーキがかかっても、自転車は慣性で前へ行こうとする。そのため、前輪は地面に押し付けられるのに対し、後輪は前輪の接地点を支点にして持ち上がろうとする。
  自転車を後に押してブレーキをかけると逆の現象が起きる。つまり、前輪は滑るかまたは持ち上がる。前輪は実質的には後輪となっているため。
  タイヤが路面に対して滑ると、制御性がなくなるだけでなく路面とタイヤの摩擦力が低下する。前輪と後輪のブレーキを同じ力でかけると、まず後輪が滑るが前輪はブレーキの力に余裕を残している。有効にブレーキをかけるには、前輪60~70%そして後輪約40~30%の割合で力を加えると良い。

ラピッドファイアー (rapid fire、rapid fire shifter)

  主にマウンテンバイク平ハンドルに付け、親指と人差し指で操作するシマノの変速機シフター
親指で解除レバーを押すとチェーン小スプロケットに移動し、送りレバーを人差し指で引くと大スプロケットに移動する。
ただし、ディレイラーの形式によっては、逆の動きとなる(親指で押すと大スプロケットへ移動し、人差し指で引くと小スプロケットへ移動する)。
ブレーキレバーと一体になった形式もある。
一般用語としてのラピッドファイアーは"矢継ぎ早やの"という意味。

ウイッパーマン (Wipperman jr.GmbH)

  一世紀以上の歴史を持つドイツの総合チェーンメーカー。ピッチ5mmから100mmのチェーン及びスプロケットを製造している。
産業用チェーンの他、自動車用タイミングチェーン、オートバイ用および自転車用チェーンを作っている。
  シマノの10速用チェーン(幅6.05mm)およびカンパニョーロの10速用チェーン(幅6.2mm)と互換性のあるチェーンも作っている。 競技用に軽量化した、中空ピンおよびチタンローラの付いたチェーン(質量246g/110リンク)も作っているが極めて高価。 クイックリリースの外リンクであるコネックスリンクも作っている。

ベアリングレース (bearing race)

外輪  内輪  玉
  軸受軌道輪(内輪および外輪)またはその溝。玉(ボール)が転がる溝をレースという。溝を持った環をベアリングレースという。玉の内側にある環を内輪そして玉の外側にある環を外輪という。内輪溝と外輪溝の間で複数の玉が転がる。 溝の断面半径は、玉の半径よりやや大きく、そのため玉は溝と1点で接触する。レース(溝)に対する最初の特許は、1794年に取られている。溝によって半径方向荷重(ラジアル荷重)だけでなく、軸方向荷重(アキシャル荷重)も受けることが出来る。コーナリングでは自転車は傾き、ハブ軸受には軸方向荷重も働く。カップアンドコーンにも溝に相当するものがある。

摩擦 (friction)

  接触している二物体が、相対的に運動している(動摩擦)、又は運動し始める(静摩擦)時、その接触面で運動を妨げる方向に力の働く現象。その力は摩擦力という。
一般に、動摩擦力より静摩擦力が大きい。潤滑すると、摩擦力(摩擦係数)が減少する。摩擦力は次式で表される。
摩擦力 = 摩擦係数 X 接触面に垂直に働く力
  言い換えると、摩擦係数が大きいほど、また働く力が大きいほど、摩擦力は大きくなる。摩擦係数は、相対運動を滑りから転がりに変えると、大きく減少する。
これが玉軸受などの転がり軸受を使用する1つの理由。
  ブレーキパッドリムまたはブレーキローターとの間の摩擦力は大きいほうが良い。

傾斜フレーム (sloping top tube frame、sloping frame)

  上管(トップチューブ)が頭管(ヘッドチューブ)から立管(シートチューブ)に向かって下方に傾斜しているフレーム構造。 立管角が同じ場合の水平フレームと傾斜フレームの形状の比較を右図に示す。
マウンテンバイクにおいて、上管をまたいで立ったとき股すき間が大きくなるように、立管部において上管を下げたのが傾斜フレームの始まり。クロスバイクおよび一部のロードバイクにも使われている。
標準(水平)フレームよりも少ない種類のフレームサイズで対応するために採用したメーカーもある。
ロードバイクの上管の傾斜角度は4°~9°度が多い。フレームサイズが小さいほど傾斜角度は大きくなる傾向がある。
同じ管を使った水平フレームと比較すると、フレームの剛性はやや大きいが、サドル支柱(シートポスト)が長くなり剛性が小さくなるため、全体としての剛性はやや小さい。 全体としての剛性を確保するためには、サドル支柱を太くするか又は肉厚を大きくする必要がある。 水平フレームとの上管長の比較は、傾斜上管長ではなく有効上管長で行う。有効上管長は乗車姿勢などに影響する。

ジャイロ効果 (gyroscopic effect)

  回転体が角運動量を保存しようとする働きで、回転体の回転数および質量が大きいほど効果が大きい。次のような効果がある。
  • 回転体は回転軸の向きを保とうとする。
  • 回転軸の向きを変える力が働くと、その力の方向と直角方向に回転軸が動こうとする(加えられた力に対して角運動量を保存しようとするため)。
  ジャイロ効果は次のように自転車にとって望ましいものであるが、車輪の回転数が小さいため、トレイルの効果に比べると、相対的に無視してよいほど小さい効果である。
特に、立ち漕ぎのような低速では全く無視できる。
  • 直立安定走行
      前輪、後輪共にジャイロ効果によって、直立状態を維持しようとする(倒れない)。
  • 曲がりの手助け
      曲がろうとして自転車を傾けると、前輪も傾くので前輪のジャイロ効果により、前輪(従ってハンドル)は操縦管を軸にして曲がる方向に回ろうとする。
  しかし、高速走行時のシミーと呼ばれる横振動においては、ジャイロ効果は振動を助長する好ましくない働きをする。