自転車用語 (続き2)自転車探険!

サドル (saddle)

概要
  鞍。立管に差し込んだサドル支柱に取付けて、ペダルを漕ぐためにすわる座。 基本的には、サドルは坐骨を支持するようになっており、サドルで坐骨の左右の突起を支持する。坐骨を十分支持できる後部幅と股をこすらないための前部細さが必要。












種類
  シティ車用、ロードバイク用、マウンテンバイク用及び トライアスロンサドルなどがある。 サドルのない自転車としては、イリプティカルバイク などがある。
構造
  上皮(トップ、カバー)、基盤(ベース、シェル)、上皮と基盤の間に入れる詰物(弾性体)および基盤の下部に付く2本のレールによって構成されている。 シティ車のサドルは、さらにレールと基盤の間にコイルばねが付く。
会陰を圧迫しない意図の下に、中央の長さ方向に溝又はへこみを設けたサドル(カットアウトサドル又はアナトミックサドル)もある。
サドルノーズのないサドル(シート)もある。
形状
  サドルの平面的な外径形状は、基盤の形状でほぼ決まる。上皮の横方向の断面形状としては、平坦な形および円弧状等の曲線を持つ形がある。
この形状の違いによって、坐骨の支持の仕方が少し異なる。上り坂に対応するように後部を少し上げた形がある。
サドル幅
  各メーカーのロード車用サドルの寸法をグラフの赤点で示す。赤点の横軸はサドル幅そして縦軸はサドル長を示す。 サドル幅の平均は140mmである。女性は赤ちゃんを産むため骨盤が広くなっており、男性より幅広のサドルを必要とする。女性用のサドルを作っているメーカーもある。長距離のサイクリングおよび旅行などには、幅の狭いサドルは好ましくない。 幅の狭いサドルはサドル痛の原因となることがある。 また、坐骨の間の会陰(えいん)でも支持することとなり好ましくない。
  長さは同じで幅が120~150mmの4種の異なるサイズを用意しているメーカーがある。
サドル幅と血流
  20人の男性に細幅と広幅のサドルで5分間40rpmでペダルを漕いでもらい会陰の血流を測定したデータによれば、広幅サドルの血流の減少は約6%であったのに対し、細幅サドルの血流の減少は約60%であった。 これは細幅サドルの問題点の一つである。 シティ車のようなより幅広のサドルは坐骨突起の左右の筋肉も支持するので快適であるが、その筋肉はペダルの駆動にも使われる筋肉でもあり、血流を阻害するので競技用には向かない。
サドル長さ
  JIS D9431(自転車-サドル)は、サドル長さは350mmを超えてはならないとしている。UCI規則は、サドル長さは最小240mmそして最大300mmとしている。 各メーカーのサドル長の平均は270mmである。サドル長が大きいとサドルレール長も大きく、サドルの前後位置の調整範囲が広がる傾向にある。
レール寸法
  サドルレール寸法を記載しているメーカーは少ない。その限られたデータを右図に示す。レールの直線部の長さは45~90mmである。レールに目盛を付けているメーカーもある。 レールの直径は6.5~8mm。断面形状を8mmx7mm及び9mmx7mmの楕円としているものもある。
調整範囲
  サドルのサドル支柱に対する前後の調節範囲 a は、レールの直線部長さ l およびサドル支柱のクランプ幅 w で決まり、次式で求められる。
a = l - w
レールとサドルクランプの組合せによっては、調整範囲が10mm以下となるものもある。なお、式の記号 l は英文字のエル。
上皮材質
  サドル座面(上皮)の材質は、ナイロンなどの合成樹脂、革、合成皮革および炭素繊維強化樹脂など。 滑りを少なくした特殊な合成皮革を使ったものもある。
革サドルは汗をかかず、かつ着衣との摩擦係数が小さい。
詰物材質
  詰物(弾性体)の材質は、発砲ウレタンまたは高分子ジェルなど。
基盤材質
  基盤の材質は、硬質合成樹脂または炭素繊維強化樹脂など。
レール材質
  レールの材質は、炭素鋼、クロモリ鋼、チタン合金および炭素繊維強化樹脂(俗に言うカーボン)など。軽量化のために管(中空棒)を使っているものもある。

  各種の色に着色したカラーサドルがある。
ボトルケージ
  サドル後部にボトルケージ用の取付具を設けた形がある(右図)。
工場
  右端図はSelle Italiaのサドル組立工場の一部。
その下の図はfi'zi:kの切断機。
質量
  サドル質量を右グラフの赤点(ロードバイク用)および黒点(マウンテンバイク用)で示す。ロードバイク用のサドルの質量は、座がCFRPのものは約100g、パッドなしの細幅のものは約160g、パッド入りの細幅のものは約200gそしてパッド入りの広幅のものは約280gとなっている。
サドル幅を狭くし、かつ詰物を減らすことによって軽くすることができるが、
快適さが失われサドル痛および血流の低下などの問題が生じることがあるので、幅の狭いサドルは競技用以外の用途には向かない。
リコール
  Trek Bicycleは2011年に販売した約27,000台のFX型自転車のサドルクランプボルトが破損することがあるとしてリコールした。
サドルカバー
   サドルにクッション性を与えるため、または日光、雨およびほこりを防ぐためにサドルに被せるカバーとして、
サドルカバーがある。 この形状の違いによって、坐骨の支持の仕方が少し異なる。
シャミークリーム
  長距離走行のペダル漕ぎによってお尻と着衣の間で擦られないように又はサドル痛を起こさないように、 潤滑剤としてショーツなどがサドルと接触する部分の内側又はお尻に塗るシャミークリーム
  チューブ入り、容器入り及びスティックがある。
本来は薄い皮(シャミー)を柔らかくするために塗るクリームのこと。
バッグ
  サドルに付けるバッグとして、サドルバッグ がある。予備品及び工具等を入れる。
メーカー
   24 bicyclesAcumen(Vetta)AmbrosioArte selleAvocetAX-LightnessBBBBikeHardBicycle SeatBontrager Wheelworks & ComponentsBrooks
BycycleCharge BikesChromag BikesCinelliCionlli IndustrialClif Bar & CompanyCobb CyclingKontact Bicycle ComponentsControl TechCorimaCrankbrothersDa BombDash CyclesDeityDerri AirDMR BikesEnigma TitaniumErgoErgonFireEye BikesFyxationfi'zi:kFlybikesForzaFujiFunnGass ProjectHobson AssociatesHostettler(ixs)Infinity CyclingISM SeatKontact Bicycle ComponentsKoobiKore Bicycle ComponentsKuotaLeaf CyclesLouis GarneauLuna SportMarwiNeuvation CyclingNew Concepts Development GroupNukeproofOctane OnePlanet BikePro
Profile DesignPro-LitePrologoPZ RacingRagley BikesRaleighRavxRealSeatRido SportRitchey DesignRivet CycleworksRotor Bike Components
Sampson SportsSchwinn(Pacific Cycle)Scott SportsSDG ComponentsSelcofSelle ItaliaSelle RoyalSelle San MarcoSelle SMPSerfasSetteSpank BikeSpeed Defies GravitySpecialized Bicycle ComponentsSpongy WonderSport ManieSQ-labStorck BicycleSunliteSyncros
Terry Precision CyclingThe IndustriesTiogaTime SsportTitecToken ProductsTopeakTrigon BicyclesUN~ SaddleVavertVelo Enterprise
Velocite TechWethepeople bikeWilliams CyclingWTBZimbale 、など。
   参考資料  「サドル

ペダリング効率 (pedaling efficiency)

  ペダリングにおいて、筋肉が出した動力のうち、ペダル(クランク)の有効動力となった割合。式で表すと、
                         ペダリング効率 [%] = 100 x (クランク動力)/(筋肉動力)
  ペダリング効率が70~90%であれば、非常に効率の良い部類に入る。次の動作および姿勢によって、ペダリング効率および動力を大きくすることが出来る。
  • 上死点およびその前後において、ペダルを前方に押す。
  • 下死点およびその前後において、ペダルを後方に引く。
  • 戻り行程において、ペダルを引上げる。
  • 乗車姿勢を適切にする。
   参考資料  「ペダル行程

ランプ (lamp、bike lamp)

  次の目的で前方を照らす灯火。道路交通法においては前照灯と呼ばれている。
  • 自転車の前方通路を照らす。
  • 自動車やバイクなどに、自転車の存在を知らせる(自転車事故の多くは、ランプを点灯していない自転車で起きている)。
  ランプの照射角は10°~30°。 ロードでは狭角そしてオフロードは広角が向いている。
  電球は白熱灯、ハロゲン灯又はHID灯が使われるが、HID灯の寿命が長く、次にハロゲン灯の寿命が長い。電源が電池のランプはLEDが使われることが多い。
  「自転車発電ランプ用電球(JIS C7510)」によれば、電圧は6Vそして消費電力は2.4Wおよび3Wの2種類がある。寿命は60h。

空気タイヤ (air tire、pneumatic tire)

  チューブがあって空気を入れて初めて機能するタイヤ。ソリッドタイヤ(エアレスタイヤ)に対立する用語。
  ソリッドタイヤしか無かった頃、獣医で発明家のダンロップ(スコットランド人)は、空気で膨らましたゴムチューブ(動物の腸からの発想と言われる)にゴムを塗布した帆布をかぶせ、自転車のリムに取り付けると乗りやすく速度を出せることが分かり、1888年に空気入りタイヤとして特許を取った。翌年、自転車競技で、空気タイヤを付けた選手が
優勝したので、英国中で評判となった。1889年に空気入りタイヤ製造会社を設立し、欧州最大のタイヤ会社に発展した。自転車タイヤは1960年代に生産中止した。
  ダンロップが発明した空気入りタイヤは、自転車の乗り心地を向上させる画期的な発明だったが、よくパンクした。
ミシュラン(フランス人)は修理可能なタイヤを作ったので、またたく間に普及した。その後、ミシュランは初めて自動車用空気タイヤに進出した。

中間スプロケット (middle sprocket)

  小(1段)、中(2段)および大(3段)の3個で構成されているクランクスプロケットの内の中間のスプロケット。
歯数は大スプロケットより、ロードバイクでは12~14少なく、マウンテンバイクでは12T少ない。
  普通の走行においては、中間スプロケットを使い、後ディレイラー後輪スプロケットを変えて変速するのが一般的。
中間スプロケットで対応できない場合に、1段または3段のスプロケットを使う。そのため、走行時間の90%前後は、中間スプロケットが使われる。
次の理由により、クランクスプロケットは主要な変速を行うのに使い、後輪スプロケット(カセットスプロケット)は細かな変速を行うのに使う。
  • クランクスプロケットは歯数差が大きいため、歯数差が小さい後輪スプロケットほど変速(チェーン移動)が迅速かつ容易でないこと。
  • 後輪スプロケットは歯数差が小さいので、ギア比(速度)の微調整が出来ること。

摩擦力 (frictional force、traction force、traction)

概要
  外力または運動と反対の向きに接触面に働く力。
ブレーキ
  ブレーキパッドリム(またはブレーキローター)間の摩擦力。
タイヤ
  タイヤと路面の摩擦力を式で表すと、
摩擦力(トラクション)= タイヤと路面の摩擦係数  タイヤにかかる自転車と人の荷重
  タイヤと路面の摩擦係数は、タイヤ材質(天然ゴムまたはブチルゴムなど)、タイヤ圧力、路面の材質(アスファルトまたはコンクリートなど)、路面の状態(乾、湿及び起伏など)および走行速度などに依存する。 タイヤが路面との間で滑り始めると動摩擦力となり、それは静摩擦力より小さい。
  オフロードにおいては、タイヤの突起と地面の引っ掛かりが影響するので、グリップという用語も使われる。
コーナリング
  コーナリングでブレーキをかけると、コーナリングの横方向力にブレーキ掛けによる前方向の力が加わり、その合力が摩擦力より大きいと、滑って転倒する可能性がある。
言い換えると、コーナリング時には摩擦力の多くが横方向の力として使われているため、ブレーキングに残された摩擦力は少なく、従ってブレーキをかけると滑りやすい。
安全上、必要ならコーナリングの前にブレーキをかけ、コーナリング時にブレーキをかけないことが望ましい。
コーナリング時の横方向の力は、速度の2乗に比例し、回転半径に反比例する(半径が小さいほど力は大きい)。

インテグレーティッドヘッドセット (integrated headset)

  統合ヘッドセットのこと。アンギュラ軸受カートリッジ軸受(図の黄色部)を使い、それを頭管(水色)内部に入れるヘッドセット
そのため一般のヘッドセットと外観が異なる。写真は上下の軸受部を重ね合わせてある。
  一般のヘッドセットの軸受のわんは、頭管の上下の面で受けるが、統合ヘッドセットのカートリッジ軸受(黄色)は、頭管(水色)の内面を環状の段付き加工をして内部で受ける。軸受は上下のキャップ(灰色)で覆う。上キャップには操縦管に対するシールリング(黒)が付いている。
  一般の軸受は国際規格で標準化されているので、どのメーカーのものを使っても互換性はあるが、統合ヘッドセットの軸受は標準化されておらず各メーカーまちまちで、互換性はない。インテグラルヘッドセットと呼ばれることもある。

インターナルヘッドセット (internal headset)

  内部ヘッドセットのこと。ねじ無しヘッドセットの一種で、カートリッジ軸受(右図の黄色部)を使い、それを頭管(水色)内部に入れた内部キャップ(赤色)で受けるヘッドセット。 そのため一般のヘッドセットと外観が異なる。写真は上下の軸受部を重ね合わせてある。
  一般のヘッドセットの軸受のわんは、頭管の上下の面で受けるが、内部ヘッドセットのカートリッジ軸受は、L字断面で環状の内部キャップ(赤色)を
圧入してその内部キャップで受ける。軸受には外部キャップ(灰色)が付く。必要とする頭管内径は41.05~41.1mmなど。軸受外径は41mmなど。
  一般の軸受は国際規格で標準化されているので、どのメーカーのものを使っても互換性はあるが、内部ヘッドセットの軸受は標準化されておらず各メーカーまちまちで、互換性はない。

チェーン噛み込み (chain suck)

  クランクスプロケット下方のチェーンスプロケットから離れず持上げられて、スプロケットとチェーンステイの間にチェーンが噛み込まれる現象。次の2つの場合がある。   いずれも上り坂などの負荷の大きい状態でチェーンに泥などが入るなどして、チェーンとスプロケット間の摩擦力がチェーンの重さ及び後ディレイラーのばね力より大きくなり、スプロケットの下部でチェーンが歯から外れず持上げられて起こる。 マウンテンバイクは歯数が少なく力が集中しやすいため起こしやすいが、ロードバイクでも起こる。
  市販のチェーン噛み込み防止板はあるが、その効果は限られている。

単速 (single speed、single speed bike)

概要
  変速機が無く1速(シングルスピード)のみ。
ロードバイクシティサイクルおよびBMXバイクなどに使われている。
仕様
  フリーホイールは付いている。フリーホイールの付いていない単速は、固定スプロケットと言う。
一般にブレーキは付いている。
特徴
  (1) 軽量  スプロケット数が少なく、チェーンが短く、シフターロープ(ケーブル)、アウターおよびディレイラーなどが無く軽い。
  (2) 効率  スプロケットに対してチェーンが斜めにかかること(たすき掛け)が無くかつディレイラープーリでチェーンが曲げ回されることがないので幾分伝動効率が良い。
  (3) 保全性  変速機が無いので保全がやり易い。

スプロケット歯数及び走行速度
  クランクスプロケット歯数及び後輪スプロケット歯数の組み合わせによって、走行速度がどのように変わるか見るために、「多段走行速度 計算器」 を使って計算した結果を右図に示す。
  例えば、クランクスプロケット歯数は48Tそして後輪スプロケット歯数は13Tとすると、走行速度は33km/hとなる。
自転車
  単速の自転車は、単速車(シングルスピードバイク)という。






段 (speed)

  変速機の変速数またはそれに対応するスプロケットの数。速(スピード)とも言う。クランクスプロケットは1段~3段そして後輪スプロケットは1段~11段。
クランクスプロケット歯数A及び後輪スプロケット歯数Bの組合せは、AxB段と表す。例えば、A=2そしてB=9の場合は、2x9段と表す。
  変速機としての変速段数はクランクスプロケット数と後輪スプロケット(カセットスプロケット)数の組合せ数、すなわち
変速段数 = クランクスプロケット段数 X 後輪スプロケット段数
  例えば、クランクスプロケットが2段そして後輪スプロケットが9段の場合は、 変速段数 = 2 X 9 = 18段 (18速) となる。
ただし、この組合せの中に似たギア比の組合せがあるので、有効段数は少なくなる。
  10段(10速)の後輪スプロケットは2002年にカンパニョーロが最初に市販し、その数年後にシマノが出した。11段は2008年にカンパニョーロが最初に出した。
   参考資料  「多段ギア比計算器」、「多段走行速度

重心移動 (weight transfer)

  自転車に乗った人の重心を移動させること、または重心が移動すること。例えば、次のような場合に使われる。
  • サドル上でお尻、従って重心を後方に移動させること。後輪のブレーキの利きがよくなる。
  • ブレーキを掛けたとき、人と自転車の慣性により前輪に大きな荷重がかかり、後輪の荷重は減少し、見かけ上、重心が前方に移動すること。
  • ハンドルステムに付けた買い物かごの荷物または幼児席の幼児の重心がハンドル操作によって移動すること。
    荷物または幼児の重心移動によりハンドル操作のふらつきが生じることもある。 幼児の重心がステム中心線上に来るように幼児席を取付けることにより、ハンドル操作により幼児または荷物の重心は旋回するが、重心移動が少なくなるようにしたシティ車がある。

パワーモジュレータ (power modulator)

  ブレーキ(特に前輪用)がロックしにくいよう、ブレーキ力を調節(モジュレート)する装置で、次の3種類がある。
  •  ブレーキレバー取付け
      Vブレーキ用の4指レバーに付けるもので、ブレーキの効き始め及び効き終わりは、通常のVブレーキの効きとなり、
    その間はブレーキレバーの引き距離を増すことによりブレーキの効きを緩やかにする。ブレーキ力の調整が可能。
  •   ブレーキ取付け
      Vブレーキのヌードルに取り付ける。ブレーキの効き始め及び効き終わりは、通常のVブレーキの効きとなり、その間はブレーキレバーの引き距離を増すことによりブレーキの効きを緩やかにする。ブレーキ力の調整はできないが、2指レバーが使える。
  •  ハブ取付け
      前輪のハブに組み込まれている摩擦クラッチ。ブレーキ力が大きくなりすぎると、クラッチが滑ってロックを防止する。シティ車ローラーブレーキのハブに使われる。

ブルベ (brevet、randonneurs)

  自転車で長距離を自己速度で制限時間内に走るイベント。往復距離は主催者によって、400km~1200km。
  自転車の種類はロードレーサーロードバイク及び旅行車が多い。ブルベは競技ではなく、イベントと考えられており、
そのため主催者によっては、制限時間内の走者をアルファベット順にリストに乗せて時間記録は取らない。
制限時間には、食事、パンク修理および睡眠の時間が含まれる。日没後の走行もあるので前照灯は不可欠。
  決められた経路を走るため、たいてい50km~90km毎にチェックポイントがあり、ブルベカードにスタンプを押してもらったり
ルートブックにサインをしたりする。食事、シャワー設備、寝室を備えたチェックポイントもある。
  最も歴史があり有名なブルベは、パリ - ブレスト - パリ(PBP)で、1891年以来4年毎8月に開催されている。
パリ南部と港町のブレスト間600km(東京-神戸間の鉄道距離590kmにほぼ等しい)を往復する1200kmを制限時間90h以内に走る。
チェックポイントは65km~90km毎にある。制限時間内に走った人はメダルがもらえる。メダルのデザインは毎回異なる。2003年の参加者は約3千人。
  次に有名なのはボストン - モントリオール - ボストン(BMB)で、PBPの開催されない年の4年毎8月に開催されている。
ボストン近郊のニュートンとカナダのモントリオール近郊のハンチントン間の往復1200kmを制限時間90h内に走る。チェックポイントは12箇所ある。

立管長 (seat tube length)

  フレームサイズとも言われフレームの大きさを代表する寸法。メーカーによって、次のC-TまたはC-Cの長さが使われる。稀に、C-TTを表すメーカーもある。
  •  立管長(C-T)
      ボトムブラケット芯から立管の上端までの距離。Tはトップの意味。測定しやすいので、よく使われるが、(C-C)では同じ寸法でも、 立管が上管からどれだけ突出しているかによって数値が変わる。
      立管長(C-T)は、ロードバイクで420~600mmそしてマウンテンバイクで330~500mm。
  •  立管長(C-C)
      ボトムブラケット芯から立管中心線と上管中心線の交点までの距離。Cはセンターの意味。本来の実質的な立管長。
  •  立管長(C-TT)
      ボトムブラケット芯から立管と上管上端の交点までの距離。TTは上管上部の意味。
  ボトムブラケット芯はクランク軸芯と等しい。立管長は上管高さ、ボトムブラケット高さおよび立管角によって決まる。 マウンテンバイクは股下と上管の隙間(股すきま)およびボトムブラケット高さを大きく取るので、立管長はロードバイクより短くなる。

うす (expander cone、wedge)

概要
  クイルステムの上部から差し込んだ引上ボルトの下端に付いていて、クイルを操縦管(ステアリングコラム)内壁に固定する金具。
引上げボルトをねじ込む雌ねじが中心に切られいてる。うすには、くさび式とテーパー式がある。
くさび式
  クイル下端及びうす上端がくさび状になっていて、そのうすを引上ボルトで引上げるとくさび作用で操縦管内壁に押し付けられて固定される。
テーパー式
  イクスパンダー式とも言う。びんのコルク栓のようにテーパーの付いたうすをクイル下端に差込み、それを引上ボルトで引上げると縦溝を切ったクイル下部が広がって固定される。

炭素鋼 (carbon steel)

  強度を増すために、鉄に炭素を0.05~1.7%加えた金属を炭素鋼と言う。
炭素が多いほど強くかつ硬くなるが、溶接および加工は難しくなる。
実質上、溶接できるのは、炭素量0.65%までの炭素鋼。
右表に炭素量による炭素鋼の分類を示す。
 
分類 炭素量[%]
 低炭素鋼  0.05~0.30 
 中炭素鋼  0.30~0.45
 高炭素鋼  0.45~0.75
 超高炭素鋼   0.75~1.70

フェード (fade、fading、pad fade、brake fade)

  ブレーキパッドリムまたはブレーキローター等との間の摩擦力が低下し、ブレーキの効きが悪くなること。
ディスクブレーキおよびドラムブレーキ(内拡ブレーキ)で起こしやすい。摩擦熱によりパッドの温度が上昇して、摩擦係数が低下することが原因。
  その原因としては、次の3つの現象がある。
  (1) パッドの摩擦係数は温度によって変わり、ある温度を超えると温度の上昇と共に急速に低下していく。
  (2) パッドが高温になると、パッドの表面が溶け、その潤滑作用で摩擦係数が低下する。
  (3) 高温によりパッドの揮発性物質が蒸発し、その蒸気薄膜の上を滑るため、摩擦係数が低下する。

チェーン (chain)

概要
  チェーンは、駒(リンク)をピンでつなぎ合わせて、無端(エンドレス)にした鎖。クランクスプロケットおよび後輪スプロケットに掛けて、動力を伝達する。
歴史
  初期の自転車は前輪に付けたペダルで駆動していた(ハイホイーラー)。1876年に、チェーンとスプロケットで後輪を駆動する方式が現れて、前輪と後輪の間に腰掛けることができるようになり、乗り心地および安定性が向上した。
ピッチ
  ピンとピンの距離は、チェーンのピッチと言う。自転車用チェーンのピッチは、12.7 mm。
長さ
  チェーンの長さは、駒数(リンク数)で表す。市販している状態でのリンク数は114リンクが多い。
伝動効率
  潤滑油を使用した状態でのチェーンの伝動効率は、メーカー及び型式によって異なり、95~98%。
軽量化
  プレートにスリット又は丸穴2箇を設けかつ中空ピンを使って軽量化した形及びがある。
コーティング
  磨耗及び摩擦を減少させるために、コーティングをした形がある。
質量
  224~308g/114リンク。
互換性
  9速および10速のチェーンは、歯厚の薄くなったスプロケットに対応するようになっているので、5速~7速のチェーンと互換性がない。
ただし、9段のカセットスプロケットは、8速のチェーンを受け入れることができる。
非対称チェーン
  シフトしやすくするために左右非対称にした非対称チェーンがある。
着色チェーン
  BMXバイクなどに使われることのある着色チェーン(カラーチェーン )がある。
伸び
  チェーンは磨耗によって伸びる(チェーン伸び)。チェーン伸び率が1%を超えると新品と交換することが望ましい。 伸びを測定する工具としては、チェーンチェッカー がある。
上質のチェーンは焼入れによって硬くする。
洗浄
  チェーンを洗浄する道具として、チェーンクリーナーがある。
その他の伝動
  チェーンを使わない伝動方式として、シャフト駆動 及びベルト駆動がある。
駆動列
  チェーンなどの後輪を駆動するための一連の部品群をドライブトレイン(駆動列)と言う。
作品
  (1) 廃チェーンで作った深い鉢(ボウル)がある。
  (2) 廃チェーンを溶接して作った犬がある。目及び鼻以外は舌もチェーンで出来ている。
メーカー
  シマノ和泉チエンBBB Bike PartsCampagnoloFull Speed AheadGoldStar IndustriesInterloc Racing DesignKMC Chain IndustrialMarwiMavic
Octane OneRotor Bike ComponentsSRAMSun RaceTaya ChainToken ProductsYaban Chain IndustrialWippermann など。
   参考資料  「チェーン

ハンドルクランプ (handlebar clamp、handle bar clamp)

  バークランプと同じ。

サドルクランプ (saddle clamp)

概要
  サドル(具体的にはサドルレール)をサドル支柱に固定するための部品。 サドルの前後位置および前後の傾き角度が調節できるようになっている。やぐら又はシートクランプ とも呼ばれる。
仕様
  レールクランプ側と本体側の回転接触部で滑らないように、セレーション(鋸歯状)が付いた形がある。
サドルレールをつかむクランプ部のつかみ幅は40mm程度。
サドルのレール間隔、レール径並及びサドル支柱外径に適合しなければならない。
サドル支柱と一体になったもの及び独立のものがある。オフセット目盛り及び傾き角度目盛りが付いた形がある。
固定するボルトの本数によって、 1ボルトシートポスト 及び 2ボルトシートポスト がある。
リコール
  Trek Bicycleは2011年にクランプボルトが破損する可能性があるとして約27,000台の自転車をリコールした。
メーカー
  Brooks EnglandRitchey DesignScott SportsVelocite Tech 、など。

Wレバー (downtube lever、downtube shift lever)

  Wではなく、 ダブルレバーのこと。

タンデム(tandem、tandem bike、tandem bicycle)

定義
  2人以上が直列に並んで乗る2輪自転車。タンデムは直列に並んでいるという意味で、何人乗りであるかは表していないが、 2人乗りのタンデムが最も普及しているために、タンデムというと2人乗りのタンデムを指すことが多い。 タンデム車(JIS)とも呼ばれる。ハンドルは平ハンドルおよびドロップハンドルがある。
東京都道路交通規則においては、タンデム車を次のように定義している。
「2以上の乗車装置及びペダル装置が縦列に設けられた二輪の自転車をいう。」 リカンベント タンデムもある。
文化的背景
  欧米では夫婦で行動するという文化的な背景が夫婦2人乗りという自転車の車種に反映されている。
特徴
  2人で漕ぎ空気抵抗は1人強なので楽に走ることができる。
ホイールベースが長いので走行安定性が良い。
2人が2台の自転車に乗る場合と比べると、会話がし易い。
後の人は地図を見ることができる。目の不自由な人も乗ることができる。
構造
  2人乗りタンデムの基本設計は夫婦で乗ることを前提としているので、後ろ(女性)のサドル高さは前より低いがサドル高さは調節できる。 好みの乗車姿勢が取れるよう、後ろのハンドルの前後および上下位置は調節できる。乗車定員の数だけ、サドルペダル及びハンドルが直列に付いている。 変速機が付き、旅行用は
前照灯泥除け荷台及びボトルケージなどが付いた形が多い。
駆動系統
  前クランクには1個のスプロケットが付いていて、タイミングチェーンが掛かっている。後クランクはタイミングチェーン用の前スプロケットと同歯数の1個のスプロケット及び 後輪駆動用の1個または変速段数に応じた複数のスプロケットが付いている。
タイミングチェーンの張りが調節できるよう、偏心ボトムブラケットが付いている。
車輪
  車輪は強度を持たせるために、スポーク数は40本又は48本そして後輪ハブのロックナット間距離(OLD)は145mm又は160mmが多い。
タイヤ寸法は700C及び26型(インチ)が多い。タイヤ幅は32mm又は35mmが多い。
運転
  前に乗る人はキャプテンそして後ろに乗る人はストーカーと呼ばれる。キャプテンはペダル漕ぎおよび操縦をし、停止時には倒れないよう上管を跨いで両足を地面に着く。ストーカーはペダル漕ぎのみで操縦はできない。 ストーカーのハンドルはキャプテンの サドル支柱に付いているが操縦はできない。 前後のクランクのスプロケットはチェーンでつながっているので、乗員はペダル回転数に関して同意が必要。
独立駆動のタンデムもあるが高価である。
質量
  2人乗りタンデムの質量は約21kgでロードバイク2台分よりは重く、クロスバイク2台分よりは軽い。
速度
  動力は2人分であるのに対し、高速で問題となる空気抵抗
1人よりいくらか多い程度なので、50km/hの速度で走ることも可能。
全長
  前輪先端から後輪後端までの距離(全長)は、240~250cm。
材質
  フレームの材質はクロムモリブデン鋼(クロモリ鋼)、アルミ合金および炭素繊維強化樹脂(CFRP、俗に言うカーボン)など。
価格
  価格は、1人乗り自転車の3倍弱。
3~5人乗り
  3人乗りタンデムはトリプレットタンデム車又は単にトリプレット車と呼ばれる。
4人乗りタンデムはクワッドタンデムまたはクワッドそして5人乗りタンデムはクイントタンデムまたは
クイントと呼ばれる。
特殊タンデム
 (1) 子供が前方に乗り、後方の大人がハンドル操作をする形がある。子供も前方の景色を見ることができる。
 (2) 子供が2人で乗る四輪のタンデムがあるが、目の前に管があるという好ましくない設計となっている(右端図)。
規則
  タンデムで公道走行できるかは、都道府県の県公安委員会規則などによる。山形、長野、兵庫、広島、愛媛及び宮崎などは公道走行ができる。
メーカー
  紀洋産業Aiolos Folding BicyclesBerndsBilenky Cycle WorksBohemian BicyclesBuddy BikeBurls BicyclesCyfacCalfee DesignCirce Cycles
Co-Motion Cyclesda Vinci DesignsDawes CyclesElectra BicycleGébréKHSMonark ExerciseMontante CcicliOrbit TandemsPedalpower
Royal Dutch GazelleSantana CyclesSeven CyclesSun BicyclesThorn CyclesTiCyclesZwei plus zwei 、など。

シフト比 (shift ratio、actuation ratio)

  ディレイラーの横方向(スプロケット間)の動き距離とロープ(ケーブル)の引き距離の比であり、式で表すと:
シフト比 = ディレイラーの横方向の動き距離/ロープの引き距離    
  例えば、シマノの8段カセットはスプロケットピッチが4.8mmでシフターのロープの引き距離が約2.8mmなので、シフト比=4.8/2.8=1.7。
シフト比が1.7なら、ディレイラーはロープの動きの1.7倍横方向に動く。 シマノのシフト比は1.7であるのに対し、カンパニョーロは1.5(2001年以前のディレイラーは1.4)。ただし、昔(1985~1997年)のデュラエースは1.9であった。シフト比は平行四辺形の形状とロープの取付位置で決まる。
  ディレイラーはロープの動きをディレイラーの横方向の動きに変換する。シフターによるロープの所定の引き距離は、カセットスプロケットピッチに対応した動きとする。
例えば、カンパニョーロのシフターでシマノの後ディレイラーを操作するには、シフト比を合わせる必要がある。シフトメイトを使うと、ロープの引き距離を変えてシフト比をあわせることができる。

マッドフラップ (mudflap、mud flap)

  泥よけの下部から吊り下げる軟らかい下部泥よけ。
雨の日などにタイヤが跳ね飛ばした泥などが後方へ飛ぶのを防止する。
  前輪泥よけのマッドフラップは足や駆動系に泥などが当たるのを防止する。
後輪泥よけのマッドフラップは後続の自転車や人に泥などが跳ねかかるのを防止する。
幅は末広がりとなっているものが多い。
泥よけ及びマッドフラップを一組にした形がある。
材質は軟らかいゴム、皮または樹脂など。
フラップは揺れる、はためく、という意味。
  メーカーは、Brooks EnglandBuddyFlapsRivet Cycleworks 、など。

チューブレス (tubuless、tubeless tire)

  チューブレスタイヤのこと。

チューブレスタイヤ (tubeless tire)

概要
  無チューブタイヤ。チューブを使わず、タイヤと専用リムの間に空気を入れ、タイヤビードとリム内側壁との間で空気を密閉するタイヤ。
当初(1999年)はマウンテンバイク用に開発されたが、ロードバイク用もある。
タイヤの内面はガス透過率の小さいブチルゴムなどで覆う(ライニングする)ことが多い。スキンタイヤは側壁に通気性があるので使えない。
シール
  リムとスポーク間のシールは、密閉用スポークの使用またはリム内面への密閉用テープの貼り付け又はリムを二重底にしてタイヤ側にはスポーク穴を設けない等で行う。
チューブレスタイヤ用のタイヤシーラントがある。
装着時加圧後
UST
  チューブレスタイヤとチューブレスリムの統合方式としては、USTが業界標準となっている。
バルブ
  空気を入れるバルブ(チューブレスバルブ )は、リムに取り付ける。専用の仏式バルブが使われる。
特徴
  チューブレスタイヤの特徴は次の通り。
    利点
  • マウンテンバイクは石や小岩などで蛇噛みパンクを起こしやすいが、チューブを無くしたためタイヤの空気圧が低くとも蛇噛みパンクを起こさない。 ただし、蚊刺しパンクは起こす。パンク修理は、チューブパンク修理用の当てゴムをタイヤ内面に貼ることによって出来る。
  • パンクした場合でも、チューブのパンクより長時間空気を保持できる。
  • 空気圧は一般のタイヤに比べて10~15%低くできるため路面との摩擦力が大きくなり、大きなブロック模様を必要としないため、
    相対的に転がり抵抗を小さく出来る。
  • 空気圧は低く設定できるため振動吸収性が良く、サスペンションの必要性は少なくなる。
    欠点
  • 現状ではチューブ付きタイヤより、空気圧低下(空気抜け)が早いこと。
  • リムへの装着はクリンチャータイヤに比べて難しいこと。
  • タイヤビードおよびビード座は完全にクリーンにしないと、空気漏れの原因となること。
  • チューブラーホイールより質量が大きいこと。
  • 高価なこと。
質量
  軽いものは、700x23C形で240~300g。
メーカー
  井上ゴム工業(IRC) 、パナソニック ポリテクノロジーCheng Shin RubberContinentalHutchinsonKendaMaxxisSchwalbeTrek BicycleVuelta 、など。

ビード径 (bead diameter)

  • リムのビード座直径
    ビード座直径タイヤリムに適合するかどうかを決めるリムの寸法。ETRTO及びISOにおいては、タイヤ寸法は「タイヤ幅-ビード座直径」で表す。
    例えば、タイヤ幅23mmそしてビード座直径662mmのタイヤは、「23-662」と表され、タイヤ側面に記されている。 一般的なビード座直径は、マウンテンバイク
    559mm、トライアスロンバイクは571mmまたは662mmそしてロードバイクは662mm。ビード径にタイヤ幅の2倍を加えると、タイヤ外径となる。
  • タイヤのビード直径
    タイヤのビードの内径。

サイクルサッカー車 (cycleball bicycle)

  サイクルサッカー(サイクルボール)に使う特殊自転車。ハンドルは鹿の角のように上を向いている。 上管(トップチューブ)は後輪の上まで伸びてそこにサドルが付いている。
ブレーキは無いが、後輪ハブはフリーホイールの無い固定ギア(スプロケット)となっているのでペダルがブレーキとなる。主な寸法等は次の通り。 メーカーは、Star Bicycle など。

ワイヤーカッター (cable cutter)

  ケーブルカッターのこと。

ケーブルカッター (cable cutter)

  ブレーキおよびディレイラーのケーブル(ロープ)またはアウター(ハウジング)を切断するための工具。
ペンチのように手で握って切る。ケーブルカッターで切るとロープがほつれない。
切断片が飛ぶこともあるので、安全めがねをかけるか、または透明な樹脂袋の中で切るのが望ましい。
  ディレイラーケーブルのアウターを切った端面はやすりで平坦に仕上げる。穴の端部は先の尖ったやすりまたはきりなどで突起がないように仕上げる。 SISなどのアウターを切る場合は、不要のロープを通して同時に切断するときれいな端面となることがある。 ほつれないようにするためのケーブルキャップがある。
  メーカーは、シマノAlligator CablesAvenirBBB Bike PartsBirzmanFelcoJagwireLifu Bicycle(IceToolz)Park ToolPedro'sPROTacx BV
Weldtite Products 、など。

スプロケット間隔 (sprocket pitch、sprocket spacing)

 段数  メーカー  スプロケット間隔[mm]   ロープ引き距離[mm] 
各社 5.50 3.2(シマノ)
各社 5.00 2.9(シマノ)
 シマノ、SRAM  4.80 2.8
カンパニョロ 5.00 3.5
シマノ、SRAM 4.35 2.5
カンパニョロ 4.55 3.0
10 シマノ 3.95 2.3
カンパニョロ 4.15 2.8
  複数のスプロケットの(厚み)中心線間の距離。
      スプロケット間隔=スプロケットの厚み+スペーサーの厚み
右表に後輪スプロケット群(カセットスプロケット)のスプロケット間隔(ピッチ)を示す。
  カセット幅は次式で計算できる。
      カセット幅=スプロケット間隔x(段数-1)+スプロケット厚さ
ただし、トップの側のスプロケット間隔が表の値よりやや大きくなっている
ものがあるので、計算式による値よりもやや大きいものがある。
スプロケット間隔とロープ引き距離の比はシフト比に相当する。
  引き距離を変換して、カンパニョロシフターシマノ後ディレイラー
操作できるようにする部品としてシフトメイトがある。

カートリッジBB (cartridge BB、cartridge bottom bracket)

  本体(外殻)、クランク軸、左右の密閉軸受および固定用ねじ付きリングが一体となったボトムブラケット(BB)。BBユニットとも呼ばれる。本体右には、フレームのポトムブラケットシェル(BBシェル)に固定するねじが付いている。左は固定用ねじ付きリングで固定する。
ねじは1.37(inch)x24tpi(ISO)およびM36x24tpi(イタリアン)の2種類がある。ISOは左が右ねじそして右が左ねじとなっている。
イタリアンは左右とも右ねじとなっている。クランクと連結するクランク軸端の形状としては、四角テーパ(左写真)およびオクタリンク(右写真)などがある。
軸長は、107、110、113、118及び122mmなど。
軸受がBBシェルの外に付く形は、イクスターナルBB(外部BB)またはアウトボードBBと呼ばれる。

サスペンションポスト (suspension post、suspension seatpost)

  サスペンションシートポストのこと。

サスペンションシートポスト (suspension seatpost、suspension seat post)

概要
  緩衝器付きサドル支柱。緩衝器の付いたサドル支柱(シートポスト)。サスペンションサドル支柱のこと。
緩衝器の種類
  (1)弾性体(ゴムなど)、(2)コイルばねと弾性体の組合せ、(3)コイルばねと空気ばねの組合せ、(4)コイルばねとガスばねの組合せ、(5)平行四辺形リンクと弾性体の組合わせ、など。
仕様
  (1)長さ(350~400mm)、(2)支柱外径(25~32mm)、(3)行程(トラベル、30~60mm)、(4)質量(300~500g)
メーカー
  Cane CreekCirrus CyclesKalloyMarwiSR SuntourTamerUltimate Sports EngineeringWhite Brothers CyclingNitroPro 、など。

前ディレイラー (front derailleur)

概要
前変速機のこと。変速のために、クランクスプロケット間でチェーンを移動させる。
構造
  チェーンを移動させるための前ディレイラーケージ およびそのケージをスプロケットに対して平行移動させるための平行四辺形のリンク機構で構成されている。 ケージの形状は、それが必要とするスプロケット歯数のレンジ(キャパシティ)によって異なる。そのため、ロード2段用、ロード3段用およびマウンテンバイク用では形状が異なる。 ロード2段用(キャパシティ15T)はケージ内板は外板に対してやや下がっているが、ロード3段用およびMTB用(キャパシティ23T、22T)はケージ内板が外板よりかなり下がっており、また長さも長い。 チェーン切りをしなくともチェーンを外せるようにケージねじが付いている。リベットで内外のプレートを連結している形はチェーン切りをしないとチェーンが外せない。
動作
  ダウンシフトのときは外プレートでチェーンを左に押して内側のスプロケットに落とす。アップシフトのときは内プレートでチェーンを右に押して外側のスプロケットへ押付け、そのスプロケットの歯がチェーンを引き上げる。 スプロケット側面のピックアップピンで引き上げる形もある。
種類
  ボトムスイングおよびトップスイングの2種類がある。ボトムスイングは従来の方式で、ケージ位置がクランプ位置より低い。 逆に、トップスイングはケージ位置がクランプ位置より高い。なお、ロード用は伝統的なボトムスイングしかない。平行四辺形リンク機構のばねの作動方向によって、高ノーマルおよび低ノーマルがある。
キャパシティ
  正常な変速のために、前ディレイラーの公称キャパシティは、クランクスプロケットのキャパシティより大きくなければならない。
チェーンステイ角
  チェーンステイが立管となす角度(立管-チェーンステイ角度)を、シマノの前ディレイラーの仕様においては、チェーンステイ角と呼んでいる。
チェーンはチェーンステイに沿って走るため、立管に固定する前ディレイラーのケージとチェーンの位置関係が適切となるチェーンステイ角のディレイラーを選ぶ。
チェーンステイ角はロードバイク用では61°~66°そしてマウンテンバイク用では63°~66°および66°~69°がある。
取付
  フレームへの取付方法としては、ロードバイク用にはバンド式および直付け式があり、マウンテンバイク用にはバンド式およびEタイプがある。 直付け式をバンド式に変換するには、
アダプターを使う。バンド径は28.6mm(1-1/8 inch)および31.8mm(1-1/4 inch)の2種類がある。 マウンテンバイク用には、その上に34.9mm(1-3/8 inch)もある。
バンド径は前ディレイラーを取り付ける立管(シート管)の外径に対応する。バンド径が立管径よりも大きいときは、ディレイラーシムを使う。
ロープ張力調整
  シフターでチェーンをクランクの大スプロケットおよび後輪最大スプロケットに移す。次に、チェーンを次に大きいクランクスプロケットに移し、内ケージとチェーンのすき間を調べる。最大で約0.5mmのすき間があること。 シフターのケーブルアジャスターを左に回すとケージは内側に動き、右に回すとケージは外側へ動く。
ロー調整
  チェーンをクランクスプロケットの最小スプロケットそして後輪スプロケットの最大スプロケットに移した状態で、ロー(L)調整ねじを回して 内プレートとチェーンのすき間を0~0.5mmに設定することにより、チェーンが最小スプロケットから外へ外れないようにする。
トップ調整
  チェーンをクランクスプロケットの最大スプロケットそして後輪スプロケットの最小スプロケットに移した状態で、トップ(H)調整ねじを回し て外プレートとチェーンのすき間を0~0.5mmに設定することにより、チェーンが最大スプロケットから外へ外れないようにする。
保守
  スムースに動くように、可動部に注油することが望ましい。周りに付いた潤滑油に粉塵などが付着しないように、拭取る。
メーカー
  シマノAcros SportAD-? EngineeringCampagnoloSampson SportsSRAMSR SuntourSun RaceTiso 、など。

後ディレイラー (rear derailleur)

概要
  後変速機のこと。変速のために、後輪スプロケット間でチェーンを移動させる。
構造
  プーリをスプロケットと平行に移動させるための平行四辺形のリンク機構および上下2個のプーリの付いたプーリケージで構成されている。
上プーリはチェーンをスプロケット間に案内する役目があり案内プーリと呼ぶ。下プーリはチェーンの張りを維持する機能が与えられており、張りプーリと言う。
動作
  小スプロケットから大スプロケットへチェーンを移動する(持上げる)ときは、デイレイラーのばねに抗して、シフターでシフトロープを引き案内プーリを動かす。
大スプロケットから小スプロケットへチェーンを移動する(落とす)ときは、シフターのロープでデイレイラーのばねの張力を解除すると、案内プーリは元の位置に戻る。
ケージ長
  案内プーリおよび張りプーリの付いているプーリケージには、短ケージ、中ケージ及び長ケージがあり、ケージ長が長いほどキャパシティが大きい(下表)。
スラント角
( ) 内はシマノの記号、例: RD-7800-SS
車種 キャパシティ
 短ケージ   中ケージ   長ケージ 
 ロード車  29T (SS) 37T (GS)
MTB 33T (GS)  43T (SGS) 
  マウンテンバイク用とロード系用では、平行四辺形面の傾き角(スラント角)が異なる。
動き比
  動き比は1:2(シマノ)と1:1(SRAM)の2種類がある。
ノーマル
  平行四辺形リンク機構のばねの作動方向によって、高ノーマルおよび低ノーマルがある。
限界調整
  後輪の最小スプロケットおよび最大スプロケットから外へチェーンが脱落しないように、作動限界を設定する。
ディレイラーを交換したとき以外は調整の必要性は稀である。
  トップ調整 : チェーンを最小スプロケットに移し、後から見て、案内プーリの中心線が最小スプロケットの外側の線の上に来るように、
    トップ(H)調整ねじを回して調整する。
  ロー調整   : チェーンを最大スプロケットに移し、案内プーリの中心線が最大スプロケットの中心線の上に来るように、
    ロー(L)調整ねじを回して調整する。
B張力調整
  後ディレイラーには2個のコイルばねが付いている(外から見えないが手で動かすと分かる)。張りプーリの付いたケージに張力を与えチェーンのたるみを取るばねAおよび本体(平行四辺形)に張力を与えるばねB。 ばねAの張力は調整できない。B張力調整ねじを回すと、本体の傾き角、従って案内プーリとスプロケット間の距離が変わる(結果的に、ばねBの張力も変わる)。
  チェーンをクランクの最小スプロケットおよび後輪の最大スプロケットに移し、クランクを逆に回す。
チェーン詰まりをしないで、案内プーリがスプロケットにできるだけ近づくようにB張力調整ねじを回して調整する。
次に、後輪の最小スプロケットにチェーンを移し、チェーン詰まりがないことを確認する。
アジャスター
  左に回す(ロープを張る)と大スプロケットへチェーンが移行しやすくなる。右に回す(ロープを緩める)と小スプロケットへチェーンが移行しやすくなる。大スプロケットへの移動が迅速でない場合は、左に回す。 左に回すと、ケージが内側へ動く(内側に大スプロケットがある)。
アジャスターの調整範囲を超えている場合は、ロープ固定ボルトを緩めてロープ長さを変えてアジャスターで調整する。
ハンガー
  ディレイラーをフレームに取り付けるためのディレイラーハンガーがある。
保守
  ディレイラーがスムースに動くように、可動部に注油することが望ましい。回りに付いた潤滑油に粉塵などが付着しないように、拭取る。
部品
  マウンテンバイ用のシマノのXTRディレイラーを分解した写真を右に示す。
リコール
  SRAMは2013年に、RED10速の後ディレイラーの平行四辺形のピボットピンがはずれディレイラーがホイールにかみこむことがあるとして、1700個をリコールした。
メーカー
  シマノAcros SportAD-? EngineeringCampagnoloRetroshiftSampson SportsSRAMSun RaceTiso 、など。

平行四辺形 (parallelogram、parallelogram linkage)

定義
  2組の対辺が互いに平行な四辺形は平行四辺形と言う。角(かど)の角度をどのような角度にしても、対辺は常に平行であるという特徴がある。なお、電車のパンタグラフは、下に押し下げると対辺が平行でなくなるので、平行四辺形とは言えない。
応用
  カンパニョーロはこの原理を平行四辺形のリンク機構にして、ディレイラーに応用した。 1949年に後ディレイラープーリの平行移動に、そして1960年に前ディレイラー前ディレイラーケージの平行移動に応用し、現在も各社で使われている(割り箸と画鋲で平行四辺形リンク機構の模型を作ると、その動きが分かる)。
後ディレイラー
  右上写真の後ディレイラーの場合は、軸(ピボット)A、B、CおよびDを結ぶ直線が平行四辺形となっている。
軸CおよびDの位置はフレームに対しては固定側となっており動かない。 軸AおよびBは、軸CおよびDを支点としてスプロケットに平行移動する。平行四辺形に強度をもたせるため、箱のように厚みのある構造(ワイドリンク)となっている。 平行四辺形の対角線上の軸BとDを結んでコイルばねが付いており、ロープ(ケーブル)の引っ張り力に対抗して平行四辺形の形状を保持している (言い換えれば、プーリの左右方向の位置を決めている)。軸A~Dに注油することが望ましい。 具体的には、リンクBC部より内側に出た突起にはロープの一端が固定されており、ロープを引くとリンクABに付いたケージおよびプーリは大スプロケットの方へ平行移動する。 ロープを緩めると、ねじりコイルばねの力でプーリは小スプロケットの方へ平行移動する。
Vブレーキ
  Vブレーキの上位機種は平行四辺形のリンク機構を使って、ブレーキシューリムに対して平行に動くようにしている(パラレルリンク)。
サスペンション
  サスペンションステムおよびサスペンションサドル支柱の中には平行四辺形機構を使ったものがある。


エアロポスト (aero post、aero seat post、aero seatpost)

  空力サドル支柱。エアロシートポストのこと。

コンパクトフレーム (compact frame)

  伝統的なロードバイク上管(トップチューブ)は水平であるのに対し、立管(シートチューブ)を短くして上管を頭管から立管に向かって下方に傾斜させたフレーム(右図の赤色)。
フレームを上から押しつぶしたような形でコンパクトとなっている。
立管、上管およびシートステイが短くなるので、少し軽くなりかつメーカーは少ないフレームサイズで多くの身長の人に対応できる。 一方、サドル支柱が長くなるため、剛性が低下する。空気抵抗上の利点はない。
  メーカーは、Glacier Bikes 、など。

アルテグラ (Ultegra)

  シマノロードバイク用の部品郡(グループ)のうち上位より2番目の部品郡に対する商標。なお、最上位の部品郡の名称はデュラエース

エアロシートポスト (aero seat post、aero seatpost)

  空気抵抗を減らすために、サドル支柱(シートポスト)の断面形状を楕円または涙形などの流線形にしたもの。フレームの立管に入る部分は円形断面となっている。軽量化および任意の断面形状とするため、一般に材質はCFRP(炭素繊維強化樹脂)。
  メーカーは、 Airo International(Xlab) 、など。

アウターワイヤー (housing、cable housing)

  略してアウターとも呼ばれる。ケーブルハウジングに対する和名(和製英語)。変速ロープ(ケーブル)およびブレーキロープを案内するための外筒。

サスペンションステム (suspension stem)

  ハンドルのステムにサスペンション(緩衝器)機構を付けたもの。多くは平行四辺形機構およびばねを使っている。操縦管(ステアリングコラム)とハンドル棒の間にステムに替えて付ける。ハンドルから手及び上半身に伝わる衝撃を緩和すると同時に路面(主にオフロード)の凹凸のに対して乗車姿勢を維持する。

ケーブルハウジング (cable housing)

  アウター(和名)を意味する英語名。

泥よけ (fender、mudguard)

概要
   タイヤの上部及び後部のおおい。タイヤに付いた雨水や泥などが、タイヤの遠心力で飛ばされたのを受け止め、人体(衣服)および自転車に付着するのを防止する。
前泥よけは泥水が足及び駆動系統に付着するのを防止する。後泥よけは泥水が自分の後部及び後続の自転車に付着するのを防止する。
右端図の赤矢印は、泥で黒く汚れた衣服を示している。
フェンダー(主に米国)またはマッドガード(主に英国)とも言う。
実用性より軽さや空気抵抗を重視する競技用自転車には、泥よけはない。
種類
   シティ車を含むロードバイク用およびマウンテンバイク用がある。
前輪に付ける前泥よけ及び後輪に付ける後泥よけがある。
前泥よけにはフレームの下管の前方下部に付ける形がある。
仕様
 (1) 前泥よけにマッドフラップが付いた形がある。
 (2) 後泥よけに後反射器が付いた形がある。
 (3) 工具なしで着脱できるものもある。
      天気のよい日には外して走る。
 (4) 伸縮性となっており、小さくしてバッグに入れて
      運搬できる形がある。
 (5) 薄いプラスチックをサドルレール後部に取付ける形がある。
 (6) 薄いプラスチック製の平板であるが、折って強度を上げて立管及びシートステイに取付ける形がある。
 (7) 他の部品とカラーコーディネートができるように、5色の色を用意した形がある。
ステー
  泥よけをフォークおよびフレームに固定する支柱は、泥よけ支え、泥よけステイまたは泥よけブレースと呼ばれる。
泥よけの寸法 (JIS D9411)
  車輪径の呼び     半径 [mm]     板厚 [mm]  
金属製樹脂製
20型275  0.35以上  1.2以上 
22型300
24型325
26型350
27型370
28型375
マウンテンバイク用の後泥よけの中には、サドル支柱に取付ける型もある。
寸法
  JIS D9411(自転車用どろよけ)に規定されている泥よけの半径および板厚を右表に示す。幅の規定がないが、泥よけ幅はタイヤ幅より7mm以上大きいことが望ましい。
メーカーは各種の幅の泥よけを用意している。
ファットバイクには幅広の泥よけが必要。
材質
   本体材質は、アルミ合金、ポリカーボネート 、クロモプラスチック、ポリエチレンテレフタレート(PET)、
炭素繊維強化樹脂(俗に言うカーボン)又はステンレス鋼など。
特殊なものとしては、竹製及び木製の泥よけがある。
   ステー材質は、ステンレス鋼など。
マッドフラップ
   泥よけだけでは不十分な場合は、泥よけの下部にマッドフラップを付ける。
長いほど効果が大きい。
メーカー
   オージーケー技研本所工研Ass SaversAvenirAxiom Performance GearBBB Bike PartsCivia CyclesCMK GroupCrud ProductsCuranaCycraGuardFast Boy CyclesFull WindsorGiant BicycleHebieHeadlands VenturesHostettler(ixs)Marsh GuardMarwiMucky NutzOxford ProductsPlanet BikePolisportPortland Design WorksQbicleRapid Racer ProductsScott SportsSerfasSKSStronglightSunny Wheel(Flinger)The IndustriesTobaTopeakVavertYung Fang PlasticWaldWit IndustriesWoody 、など。

チタン (titanium)

  チタニウム(英語の発音はタイテニアム)の略語。密度は鋼材の約1/2と軽いが、アルミよりは重い。耐蝕性があるので、塗装やメッキは必ずしも必要でない。強さを表す引張強さは、純チタンが高張力鋼(ハイテン鋼)とほぼ同等で、チタン合金がクロムモリブデン鋼(クロモリ鋼)とほぼ同等。剛性を表す縦弾性係数は、鋼材の約1/2強(約6割=0.6)、アルミの約1.5倍。
  管材にしてフレームなどに使われる。剛性が鋼管の半分強しかないことは、フレームにばね性があるとして歓迎されるよりも、加速性が悪い(加速のためにペダルに加えた力の一部がフレームの変形に使われる)として敬遠されるので、チタン管の管径を鋼管に比べやや大きくして鋼管フレーム並みの剛性を確保するというこが行われている。
材質にかかわらず管の特性として、外径を20%大きくすると剛性は約1.7倍になり、鋼管に対する剛性の比率は 0.6 x 1.7 = 1 となり、鋼管と同等となる。
20%の外径増により、質量も約20%増加するが、それでも鋼材よりは軽い。
  チタンの欠点は、材料費が高い上、溶接および加工が難しいため加工費も高くつくこと。
  最初のチタンフレームは1960年代に、英国のスピードウエルが生産した。1974年に米国のテレダインが最初の大量生産をした。
  主なチタン合金を下表に示す。3Al-15V-3Cr-3Snは、加工性が比較的良好なので、歯形の加工が必要なスプロケットに使われている。

チタン合金名 添加物 引張強さ
[MPa]
 縦弾性係数 
[GPa]
主な用途
 純チタン  330~550   106   
 3Al-2.5V  Al:3%,V:2.5%  660  107  フレーム
 6Al-4V  Al:6%,V:4%  950  114  フレーム、リム 
 3Al-15V-3Cr-3Sn   Al:3%,V:15%,Cr:3%,Sn:3%   820    スプロケット
(注)  Al:アルミニウム、V:バナジウム、Cr:クロム、Sn:すず

サイクルコンピュータ (cyclecomputer、cycle computer)

概要
  前輪の回転数および1回転する時間を測り、そのデータで次の値を計算して表示する計測器。
取付位置
  表示器(ヘッドユニット)の取り付け位置は、ハンドル、ステムまたはフレーム上管の前部。
コンピューターマウントがある。
表示項目
  走行速度、平均速度、最高速度、走行距離、積算距離および走行時間など。
構成
  前輪のスポークに磁石を付け、フォークには磁石の通過を検知するセンサーを付ける。その信号は無線または有線で、ハンドルに付けた本体に送り、内蔵の計算器(4ビット)で計算して表示する。 タイヤ周長(前輪1回転で走る距離)を入力しておく必要がある。
ケイデンス
  クランク毎分回転数(ケイデンス)が表示される形もある。これは、クランクに磁石を付け、チェーンステイなどにケイデンセンサーを付けて、クランク軸の回転数の信号を得る。
気圧センサー
  標高及び登坂高度を表示する形式もある。この形は気圧センサーを内蔵しており、気圧を標高に換算して表示するようになっている。
心拍
  心拍数が表示される形式もある。これは素肌の胸に心拍センサーを装着することが必要。
GPS
  GPS受信機を内蔵したGPSサイクルコンピュータもある。
表示器
  めがねのフレームにに取付けるコンピュータの表示器としてヘッドアップディスプレイ(HUD)がある。 下を見なくてよい。
カメラ
  ビデオカメラと一体にした形がある。
メーカー
  キャットアイ(日)、 シマノ(日)、 パイオニア(日)、 ブリジストンサイクル(日)、ユピテル(日) 、 Crops(日) 、 Acumen(Vetta)(米)、 Agu Bv(Cordo)(オランダ) 、
Atech Scientific Measurement(香港)、 Avenir(米) 、 Avocet(米)、 BBB Bike Parts(オランダ)、 BikeHard(米)、 Blackburn(米)、 Boardman Bikes (英)、 b'Twin (仏) 、 Cannondale Bicycle(米)、 Cerevellum(米)、 CicloSport (独)、 Cycle Parts(VDO)(独)、 Echowell(台湾)、 ErgoBrain(伊) 、 Filzer(カナダ) 、 Garmin(米)、
Giant Bicycle(台湾)、 Jetblack(オーストラリア)、 Kelly's Bicycles(米)、 Knog(オーストラリア) 、 Korotek(伊)、 Louis Garneau(カナダ) 、 Marwi(台湾)、 Mavic(仏)、
Mio Technology(台湾) 、 NiteRider (米)、 O-synce(独)、 Planet Bike(米)、 Polor(フィンランド)、 PRO (オランダ)、 Quarq Technology(米)、 Raleigh(英) 、 Smart(台湾)、 Ravx (米)、 Serfas (米)、 Sigma Sport (独)、 SoundOfMotion Technologies(カナダ) 、 Specialized Bicycle(米)、 Tigra Sport(香港)、 Trek Bicycle (米) 、 Trelock(独)、 Velocomp(米)、 Velomann(伊) 、 Veloset (英) 、Wahoo Fitness 、など。
   参考資料  「サイクルコンピュータ

アルミ (aluminum)

  アルミニウムの略語。密度は鋼材の約1/3そしてチタンの約1/2と軽い。アルミ合金は管材にしてフレームそしてダイより押出し成型してリムなどに使われる。
強さを表す引張強さは、低炭素鋼(シティサイクルのフレームに使われている)とほぼ同等。剛性を表す縦弾性係数は鋼材の約1/3と小さい。
管を太くすると剛性が大きくなる。アルミフレームは、管を太くすることによって素材の剛性の小ささを補い、鋼管フレームなみの剛性を確保している。
  最初のアルミフレームのシティ車は1890年代にフランスで市販された。その後、アルミフレームの旅行車は1983年そしてマウンテンバイクは1984年に最初に現れた。
  アルミ合金は下表のように、2000系から7000系まであり、自転車のフレームには主に7000系が使われる。ジュラルミンは2000系に含まれる。
  アルミ合金にスカンジウム(Sc)を添加したスカンジウムアルミ合金がスカンジウムと呼ばれることがあるが、別の金属でなくアルミ合金の一種。

系統 添加物 引張強さ
[MPa]
 縦弾性係数 
[GPa]
 溶接性   耐食性  主な用途
 1000   純アルミ  70~90  70  家庭用品、電器器具
 2000  Cu:3.5~6%  330~480   72~76  機械部品
 3000  Mo:1.0~1.5%  110~180  70  アルミ缶、屋根材
 4000  Si:11.0~13.5%  380  80  外装パネル
 5000  Mg:2.2~5.6%  120~290  70~72  船舶、車輌
 6000  Mg:0.4~1.2%,Si:0.2~1.2%  190~310  70  建築用サッシ
 7000  Zn:5.0~8.0%,Mg:0.4~1.2%   310~570  73  鉄道車輌、スポーツ用具 
(注)  Cu:銅、Mo:モリブデン、Si:シリコン、Mg:マグネシウム、Zn:亜鉛

ブチルゴム (butyl rubber)

 イソブチルとイソプレンを共重合させた合成ゴム。
耐ガス透過性および耐屈曲亀裂性に優れているのでタイヤチューブに使われる。
耐熱、耐寒よび耐候性も良好。反発弾性は良くない。
比重は約0.92で水より軽い。
  右表に一部のゴムのガス透過率を示す。
数値が小さいほど耐ガス透過性が大きい(ガスの透過が少ない)。
窒素ガスは空気よりガス透過率が小さい。
  天然ゴムのガス透過率は相対的に非常に大きい(空気抜けが早い)が、反発弾性が良く転がり抵抗が小さい。
ゴムのガス透過率 [ x10-8cm2/MPa・s ]at 60゜C
 種類      空気       窒素ガス     炭酸ガス  
ブチルゴム 20  15  130 
NBR(高二トリル) 25  10  300 
NBR(中高ニトリル) 35  20  560 
ウレタンゴム 25  25  260 
クロロプレンゴム 70  45  580 
  スチレンブタジエンゴム   150  110  1200 
天然ゴム  250  180  1600 
NBR:アクリロニトリルブタジエンゴム

バワーリンク (Power Link)

  SRAM社製チェーンクイックリリース外リンク。 工具なしで、取付および取外しができる。連結する2つの内リンクのそれぞれにパワーリンクのピンを左右から通し、それぞれ相手の取付け用の穴(内側の穴)に入れてチェーンを引っ張ると、ピンは作動用のピン穴(外側の穴)に移って固定される。 8速、9速用及び10速用。洗浄のためにチェーンを外すときなどに使う。
  単独の状態で外すのは用意であるが、チェーンに組み込んだ状態で外すのは容易ではない。SRAM社がチェーンメーカーのSachs社を買収したもので、名称は変えていない。 その後、穴形状を少し変えたバワーロックを作っている。
  10速用の外プレートが装着時又は最初の使用時に、1000個につき2.5個の割合で破損するとして2009年にリコールした。

ハンドルクランプ (handlebar clamp、handle bar clamp)

  バークランプと同じ。

連結ピン (connecting pin、connector pin、link pin、chain pin)

  1本のチェーンの両端を連結して、環状のチェーンとするためのピン。チェーンの外リンク内リンクを連結することになるが、外リンクがチェーンの進行方向の先端となるように連結する。 そうすると変速時に他のピンより小さな力が働き、相対的にピンが抜けにくい。
工場生産されたピンよりも連結ピンが相対的に幾分抜けやすい。   連結ピンはリンクの穴に差し込みやすいよう案内部が付いているので、取り付け後、案内部は折って取る。取り付け後、連結ピンは外リンクの両側からの出っ張りは均等であることを確認する。
  シマノの連結ピンの本体幅Wは、5.6mm(10速)、6.5mm(9速)そして7.1mm(6,7,8速)。
カンパニョーロの連結ピンの本体幅は、5.5mm(11速)。連結ピンはコネクティングピンまたはコネクターピンとも言う。

グリース (grease)

 増ちょう剤による分類  特徴 記事
 Ca グリース  耐水性に優れている。  Ca :カルシウム
 Na グリース  水と接触すると乳化する。  Na :ナトリウム
 Al グリース  付着性が良い。  Al  :アルミニウム
 Li グリース  耐熱、耐水性に優れている。   Li  :リチウム
 ウレア グリース  寿命が長い。  ウレア:ウレア樹脂 
   半固体状あるいはペースト状の潤滑剤。
潤滑油に増ちょう剤を分散させて作る。
増ちょう剤としては、Ca、Na、Al、Li などの石鹸またはウレア樹脂などが使われる。その特徴を右表に示す。
環境にやさしい生分解性のものもある。
軸受などの潤滑剤として使う。容器又はチューブに入っている。
容量は容器入りが100g及び500gなど、チューブ入りが20g、60g、80gなど。
一般にグリースガン又はシリンジを使って注入する。
  摩擦力を増大させるグリースとして、カーボングリースがある。革サドルに塗布するサドルグリースがある。
  メーカーは、シマノホーザンExustar EnterpriseFenwick'sFinish Line TechnologiesMorgan BlueOrontasPedro'sPhil WoodPrecision Bike LubeProgoldPureRock 'N' Roll LubricationTri-Flow LubricantsWeldtiteWhite Lightning など。